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剣客商売第3巻 第5話「兎と熊」

さいしょに。

※ネタバレありありです!ご注意ください。
 本記事は第3巻 第5話を担当します。
 なお、本記事は第3巻5話の初出場所のみ探します(以降の記事もすべてそうなる予定です)。
※小兵衛の家などの、いつもの場所は地図A(下段)にまとめました。
※本文抜書の「51)」は、文庫本のページ数です、私自身の備忘録として入れさせていただいております。

 では。どうぞ。


第5話 兎と熊

地図

④今川橋の道歩医師宅(小川宗哲医師の愛弟子)(➀~③は参考の為)。兎は道歩の娘 房野
⑤道歩が最初に呼び出された船宿
⑥⑦熊こと内田久太郎の家(下級武士であり、役により引越あり)
⑩お家騒動、上屋敷があったろう「赤坂・溜池」(⑧~⑫辺り)
⑬かどわかされた房野が閉じ込められていた下屋敷のあった辺り
⑭道歩が次に呼び出された「浅草寺西、浅草田圃の一本松」
 「箕輪」の北はすぐ千住大橋。その北は足立区。

兎と熊

抜書+切絵図

165)その日・・・。
 秋山小兵衛は、本所・亀沢町に住む町医者の小川宗哲を訪ねた。
(今日はひとつ、宗哲先生を元長ヘ案内(あない)しよう)
と、思いついた。地図A参照

167) 小川宗哲は20余年前に、鎖国の日本が肥前・平戸と共に、オランダ・中国・朝鮮の三国に限って開港をゆるしている長崎へおもむいた。
 そして約2年にわたり、異国渡来の医術を研究した。その折、宗哲が寄宿していた鼈甲細工の問屋〔肥前屋源右衛門〕の三男・肇が宗哲の人柄を慕い、宗哲が長崎をはなれるにあたって、
「どうしても先生の門人になりたい」
168) 肇をともない、長崎をはなれたのであった。
168)「諸国をまわりながら、いろいろと教えたが、20年前に江戸へ住みついてから、道歩という名をあたえ、独り立ちさせた」

・・・江戸の外の話なので、青で括ってます

<かどわかし。兎のようにかわいい房野>
168) ④村岡道歩は、神田の今川橋に住み/170)道歩の居宅は、元乗物町にある。神田・今川橋から南北へ通ずる道路は、日本橋から筋違御門を経て上野広小路へ至る大通りだけに、人馬の往来の絶える間とてない。
 今川橋の北詰を西へ折れた右側に在る道歩の家は、板塀に木戸門という質素な構えだが、奥行きは深く、中庭をはさんで二棟からなっている。
 房野が誘拐されたのは、二日前、裏手の潜り戸の外を掃いていた房野の姿を下女が見かけた。・・・

切絵図:上の記述は、道歩宅に関して。青は堀。緑は土手。道歩の裏手の潜り戸の外、とは、土手前の人通りのないエリア。
赤〇印:「今川橋」と、「乗物町」にの文字に赤〇を付けている。「乗物町」という字が載っている道は、中山道に当たり、切絵図でも、この道を南へ行くと「日本橋」。北へ神田川を渡る橋は筋違橋(筋違御門)。

道歩の住まいは「神田・今川橋」と呼ばれていた

 172)手紙が届いた「⑤浅草山谷堀の船宿・三好屋へ(来い)」
町駕籠:こんもりとした木立に囲まれた、どこやらの武家屋敷
haruka註)このときは場所は全くわからないのだが。⑬が有力。

<内田久太郎。10年前、四谷の道場で「熊の子」と呼ばれる>
185)内田久太郎。久太郎の・内田豊五郎は、⑥牛込・払方町の組屋敷の長屋にいたはずだが、いまは無役となり、⑦下谷御徒町に住んでいると語った。
haruka註)内山久太郎は小兵衛の弟子。四谷の道場を閉めるとき「折り紙」を渡した。折り紙とは「免許皆伝」みたいなかんじです。もちろん、面接・実技(今回のかどわかし人夫採用の為の)で、5人抜きをした実力ではある。お父様の住居、というか、久太郎の家は、10年くらい前は⑥の牛込、いまの官庁街。役を降ろされた今、⑦上野近辺で遠くなった感じが切ない。

切絵図:下谷御徒町で検索したところ、台東区台東一~四丁目、東上野一・二丁目とのこと。ただし、明治になってから大名屋敷・近隣の武家地も併せて「下谷御徒町」として起立。名称からでは内田の家があった場所は特定されない。

上の緑は、上野寛永寺である。

 ⑧~⑫赤坂・溜池に屋敷を構える九千五百石の旗本・花房築後守秀方の家来になれた、というのである。
haruka註)⑧~⑫のあたり、切絵図で探したが特定できず。
「いまは⑬三ノ輪のお下屋敷のほうに詰めております」
192)三ノ輪~下谷の外れ、田園地帯
193)主・花房筑後守の領地は、下総の国・相馬郡(大名でないのでそちらに住まずとも好い)

199)道歩は呼び出しを受けた。場所は山谷堀の船宿ではなく、⑭金竜山・浅草寺の西方、浅草田圃の〔一本松〕
haruka註)一本松の地名はないので、遊園地「花屋敷」の上にマーカーを置きました。「浅草田圃」は下の地図では「田地」部分すべてだと思う。

国会図書館デジタル、浅草絵図(タイトル上に今戸箕輪とある)同タイトルの右下、ちっちゃいけど、千住大橋とある。これを越したら江戸の外という感じ。今は都会だけど!

201)浅草田圃をさらに北へ行き、木立に待たせた駕籠へ
202)当時の三ノ輪は、奥州・陸羽両街道の筋街道だった往還から西へきれこむと、もう、まったくの田舎であった。

204)道歩・房野と再会、暗闘のあと、208)事件は評定所へ210)

あとがき・予告

 本記事は第5話のみにて完了といたします。
 引き続き、第6話 婚礼の夜、第7話 深川十万坪を次記事にまとめていきます。
 いつもご訪問いただき、ありがとうございます。

地図Aについて

 ふだんの暮しの見かけをちょいと剥いで、時間旅行に行きませんか。
 「剣客商売」に住む方々が暮らす界隈など、いかがでしょう。
 なお、くりかえしの場所は「地図A」にまとめました(マイマップでは『剣客商売・基本地図』)。 

〇地図説明・・・不要の方は飛ばして~地図は下です。

・えんじ色の丸に囲まれた数字と、凡例の数字がリンク。クリック(タップ)するとタイトルと簡単な説明が地図の向かって左に出ます。
・スマホの方にはキャプションがずれているかと。ごめんなさい。
・拡大縮小も自由自在で、触っただけで位置が行方不明になることも・・・汗。立ち上げなおすと初期状態に戻りました。
・拡大して全画面がお勧め(地図上バーの右端□)。
・パソコンで見ている方は、スマホへ送ると便利なんだけど・・・実験したけどうまくできません。このページをスマホで開いて、全画面にしたら地図で使えるようです。よろしければ使ってみてくださいね。
・お読みいただき、ありがとうございます。

https://www.google.com/maps/d/edit?mid=1PkJ6k-W6gaxshASCQdc7BXX84QraPN8&usp=sharing

 ご覧いただきありがとうございます。今日も良き日でありますように。

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