のらぼう菜
産直バザー的なイベントを手伝いました。
知り合いが少ない私にはオアシスのような時間。
畑を借りて野菜を育てているという方(話を聞くと家庭菜園としては割と大規模)が出品されたのは
「のらぼう菜」という野菜でした。
そう、いかにもアブラナ科。菜花の一種です。菜花と違ってえぐみがなくエディブルフラワーといった感じ。
バザーで、この花を見た人が
「多摩の野菜よね?」
と言っていたのが印象的。
「久米で食べた」
という方も。
この辺では古くから食べられていた地場の野菜のようです。
調べてみました。
この花は、関東では「救荒作物」の一種として、代官が普及したもののようです。西洋野菜・キャベツ、カリフラワーなどと同じような系統だそうで、丈夫、育った先から掻いて収穫するので『カキナ』とも呼ばれているのですが、市場でいわれる『カキナ』とは別物だそうです。
古文書によれば。
代官が種に指南書をつけて、村人に渡したそう。
村人は毎年自分の畑で種を取って、次の冬、その種で育てたそうです。自然とその地にあったもの、好きな味を選別(育種!)しながら現在の品種となったそうで、地域によって微妙に味わいが違うのだとか。
飢饉のときにこの草だけは青々としていたといいます。
のらぼう菜の原種は、闍婆(じゃば、現在のジャワ島)を経由してオランダの交易船が持ち込んだセイヨウアブラナ(洋種なばな)の1種「闍婆菜」(じゃばな)という品種という説があるそうですが、定説ではないそう。
鎖国中とはいえ、いろいろな植物が交易の対象となっていたことを知ります。
私は御浸しにして(まだタッパにあり)、炒めて卵とじ、スパゲッティの具・・・そして残った一束が、今、台所で咲いています。
売ってくれた人は、茹でて冷凍したらいいよ、と教えてくれましたが、好奇心に勝てず!花を咲かせてしまいました。
いいの。花も食べられるんだから。