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剣客商売 第2巻第1話 鬼熊酒屋

ポイント2カ所。

 ※最初に・・・ネタバレありありです!未見の方はご覧にならないでください。なお、本文に「17p)」とかあるのは、文庫本のページ数です。
 では。どうぞ。

(レイヤー1、朱色に番号)鬼熊酒屋:本所・横網町にある居酒屋〔鬼熊〕
 店主である熊五郎が妙な場所で妙な様子。それは・・・
(レイヤー2、紫色に番号)浅茅ヶ原:梅若丸の伝説にゆかりのある所で、近くの名刹・総泉寺の地つづき。本所とはだいぶ離れており、熊五郎が如何に内緒にしたかったかがわかる。
※グーグルマップの画像、一番下にあります。

鬼熊酒屋(レイヤー1,朱色)

 17p)武家屋敷が立ち並ぶ通りを、③回向院の北側へぬけ、小泉町の角を藤原和泉守・下屋敷の大屋根が、闇の中にもくろぐろと浮いて見える。
 道の右側が横網町で、その先が松前伊豆守の本邸であった。
 その松前屋敷と道をへだてて、津軽屋敷の北面の三角地帯の突端に、➀居酒屋〔鬼熊〕がある。
 ここは、横網町の飛地というわけだ。

 23p)(熊五郎の婿・文吉)「そのころの私ぁ、④三ツ目の松平能登守さまの御下屋敷の中間部屋にいたわたり者で、いやもう、箸にも棒にも」

↓ ※江戸切絵図(国立国会図書館所蔵)より。池波先生すごい・・・現在は観光船?乗り場アリ。蔵しか見えていないが、全文は「御竹蔵」。ここの②橋の碑が残っているので、それを目印に➀鬼熊酒屋の場所を特定してみた。=地図に記載。飛地の下に横網町の文字、その下に③回向院。④はだいぶ東。

本所絵図

浅茅ヶ原(レイヤー2,紫色)

 13p)小兵衛は大治郎の道場で飯田粂太郎の稽古の様子を見てから、浅草・今戸の本性寺(地図A)へ行き墓参をすませ、ぶらぶらと引き返し、➀浅茅ヶ原へでた。
 浅茅ヶ原は、梅若丸の伝説にゆかりのあるところで、近くの名刹・③総泉寺の地続きである。
 29p)秋山小兵衛は、浅茅ヶ原の松林から田圃道をたどり、彼方の②玉姫稲荷の社へ向かっていく熊五郎の後姿を発見した。
 30p)玉姫稲荷の境内には、まったく人影がない。
※地図Aとは、第一巻で作った、秋山親子が日常的に行き来する場所のまとめ地図。

大治郎の道場の近くです、橋場町の名がみえる。

浪人者

 37p) 石原町の内藤山城守・下屋敷の中元部屋でひらかれる博奕場へ入りびたり、そこで〔鬼熊〕の評判を耳にしたらしく
※あまりお話には関係ないかもですが、せっかく見つけたので。

鬼熊の出自(地図に記載なし)と、逝去

 47p)越後の片隅の。角兵衛獅子。いろんなこと。
 50p)三日後の朝。

➀の後ろに②が隠れてます。すみません。
思うに・・・熊五郎は具合が悪くなるとまっすぐ北に向かい、橋をわたって荒地(浅茅ヶ原、高い堤の陰、近くに池もある)に身を隠したのでは?本所吾妻橋辺りにも常連客はいたみたいだし。

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