シェア
切れ間のない 青空のひとすみ、 ぽっかりと 色が抜けていました。 そこには、 出番にはまだ少…
世界の終わりに、人々は抱き合うと思うよ。 あなたはわたし。 わたしはあなた。 そんなことに…
夕暮れどき。 車窓から見える風景を、まばたきで切りとる。 次にまぶたを開いたときには、そ…
俗にいう無駄なこと、無駄な時間を削っていったら、 そこに何が残るんだ、と思う。 何も残ら…
本当のことが言えない世の中なんてさ。 嘘の方が余程聞こえがいいんだ。 真実は不器用に、世界の隅で軋むような音を立てている。 耳触りのいい言葉が羅列して渦巻いてそこに君は溶けていって、いいのかい。 それで、いいのかい。
軽いな、と思う。 夏の日差しの名残が残る、秋の晴れ間。 外は、夏よりもどこか、軽い空気で…
とんぼは、飛行機のようだ。 軽い機体で、縦横無尽に飛び回る。 低空飛行する小型飛行機には…
髪を切る行為は、重さを捨てる行為だ。 鬱屈した感情を、捨てる行為だ。 24時間、一緒に過ご…
とんとん。オクラを輪切りにする。目に鮮やかな、緑。 添えた左手に、反発する力が伝わる。 包丁が刻むリズムに、心が落ち着いていく。とん、とん。 まな板が音を立てる度に、手の中から星が生まれてゆく感覚。零れていく種は、星屑のよう。私が作った星たちを、両手に包み込む。星は、逃げていく。