楽しかった夜の翌朝
珍しく早朝に目が覚める。アセトアルデヒドの作用で動悸がして二度寝できないので、起きてぬいぐるみが眠っているのを眺める。パートナーが寝ている様子を見に行き、音が出ないように部屋の中を歩く。リビングでは小さいぬいぐるみたちが虫のように集まってコロニーを作っていて、そのせいで散らかっている。
今日はカーテンを開ける意欲があるし、空の色を確かめる気力がある。昼まで寝ている毎日とは大違いで、今日1日でなんでもできる気がする。不健康なのか、健康的なのかよくわからない1日の始まり。昨日食べたものを思い出そうとするが、なかなか思い出せない。楽しかったことだけは覚えていて、これから断片的に記憶が戻ってくるのが楽しみだ。
気分も天気もいいので、散歩に出かける。朝の空気を吸うのはいつぶりだろう。冷たくて気持ちがいい。フィルムカメラで朝の川の写真を撮ったら、ちょうどフィルムがなくなった。たまに思い出したときだけ写真を撮っていたフィルムカメラをやっと現像できるのがうれしい。
ベンチに座ろうとしたら、しっとりと朝露で濡れていた。仕方がないなと思って、そのまま座る。朝露はなんか綺麗そうだし、虫目線で見るとおいしそう。しっとり濡れたベンチに座って、川を見ながらおにぎりを食べる。食べながら、炭水化物じゃなくてタンパク質が食べたいなと思った。あったかい揚げ鳥がたべたかったけど、まだ売ってなかったんだよな。
朝ってなぜか白っぽい。時間が経つにつれて物の輪郭が、色がはっきりとしてくる。まだ世の中が朝の白さにぼんやりとしているうちに家に帰って、ベッドの上でごろんとくつろぐ。早朝の散歩は休職中にやりたいこと40の中のひとつで、達成できたことを嬉しく思う。スタンプ押しちゃお。次は喫茶店モーニングを目標にしよう。どこの喫茶店に行こうか、なんの本を持って行こうか楽しみだ。また早起きができるように、満腹な散歩後の眠気に耐えている。
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