見出し画像

「世界をスローモーションで眺める」

古賀史健さん『さみしい夜にはペンを持て』を読了。
読むことが好きな方や書くことに携わっている方が
おすすめされていることが多く、
気になっていたのをようやく購入して読みました。

キラキラした、にぎやかな表紙がかわいい。

悩める中学生タコジローくんが、ヤドカリおじさんと出会い、
「日記を書くこと」を通じて自分と向き合う物語。

感情をはき出すことが多かった日記への
向き合い方を考えさせられた。

素直な気持ちで
自分の感情と向き合うのって大事だ。
タコジローくんの視点を通じて、
一緒にヤドカリおじさんから「書く」ことが持つ力を学んだ。

とくに「世界をスローモーションで眺めると」は印象的。

「スローモーションのカメラで世界を眺めて、スローモーションのビデオで『あのとき』を再現する。それだけで文章の表現力はぜんぜん違ったものになるよ」
(中略)
「もちろん、3倍速や5倍速の場面があってもいいんだよ?ぜんぶの場面をスローモーションにするなんてできないからね。でもたとえ1箇所でもいいから、どこかの場面をスローモーションで描く。そうすれば表現は豊かになるし、ことばもていねいになる。ここにボキャブラリーが加わったら、最強だよね」

『さみしい夜にはペンを持て』P184-185

「○○した」と一言で終われることも、
スローモーションで眺めれば
たくさんの行動や思考の積み重ねで、
それを1日1つでも丁寧に拾い上げていたら
それだけでもう自分を知ることにつながるだろう。

そんな風に思った。

毎日は難しいけど、
毎週の振り返りの時には1つくらい拾い上げたい。

すぐにでも取り入れようと思ったのは
ネガティブな感情は「過去形」で記すこと。
解決済みにしてすこし距離を作ることで
「どうしてそう思ったんだろう」と客観視できるとのこと。


そして巻末の袋とじ。

「もしも書くのが止まってしまったら、これを開けるように」

『さみしい夜にはペンを持て』巻末

物語の中では
日記が止まってしまったとき、書くのがつらくなったときに
開けるようにと
ヤドカリおじさんがタコジローくんに手渡した封筒。

ここはまだ開けていない。
いずれ、note を書く手が止まってしまったときに
開けようかなと思う。

そのときには、この本を読み返すだけでも
書きたくなりそうだけれども。

ということで、
今回は読書感想になりましたが、とてもステキな本でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?