今宵のおともは
こんにちは。
人間の基本的な欲求のひとつである食欲。
食をテーマにした作品は、数多く、
現実の店舗を扱う作品から異世界の架空のものまで
時に飯テロともいわれる作品は推挙に暇がないほど。
読むとお腹が空いてくる
食欲が刺激される
活力が湧いてくる
欲を刺激する分、何だか元気になれる
そんなグルメ作品が私は好きです。
さて、このグルメ小説、昨今の流行ではないようで、
明治時代にも一大ブームが起こったという。
ジャーナリストである村井弦斎の『食道楽』は
当時異例の10万部超を記録し、
続編も刊行された大人気作品だったそうです。
ヒロインの名前を店名とする飲食店まで登場したのだとか。
単なる小説に留まらず、嫁入り道具にまで用いられた作品は
600以上のレシピが紹介された実用的な内容であったようです。
また、食事の大切さや親子関係のあり方など
単なる食欲に留まらぬ描写も人気の秘訣だったようで、
次に読みたい作品のひとつです。
和洋中、四季折々、多種多様の料理をレシピと共に味わうグルメ小説の元祖。明治期空前のベストセラーを読みやすくコンパクトな現代語抄訳で初めて文庫化。
美味しくてやめられない、これぞグルメ小説の元祖――
若き大食漢・大原と、料理に凄腕を発揮する妙齢のお登和のラブロマンスとともに、
和洋中、四季折々、膨大な数の各種料理の調理法を蘊蓄たっぷりに紹介。
前代未聞のその手法と、滑稽味あふれるストーリーで絶大な人気を博した本書は、実用性を貴び家庭料理の近代化を説く、先見的な食の啓蒙書でもあった。
とはいえ、長編となると読んでいる内に
既に食欲もひと段落ということもなきにしもあらず。
先日読了したグルメ小説は、短編集なので
一話一話の合間にお茶をいれられるのがお気に入り。
戦前から続く寄席「八百万亭」の屋根裏には、寄席わらしのフクちゃんが棲み着いている。入門2年目の萬福亭晴坊は、そのおさんどん係。フクちゃんのリクエストに応え、今日も腕を振るうのだけれど―。(「寄席わらしの晩ごはん」名取佐和子)忘れられない母親の味、元気が出る特別なスイーツ、噂のお店の裏メニュー、皆で奪い合って食べるおやつ―。いろんな「美味しさ」を詰め込みました。人気作家の書き下ろしも収録した、読めば読むほどお腹が空いてくる20人の食物語。
読み進めてみると新選組が登場する作品や
父子家庭の感涙を流すような作品まで
時代も背景も多様な人物の作品が収められています。
いかなる人にも共通する「食」と生きること。
人との繋がりが描かれた作品は、
ちょっと大切な人に連絡がしたくなる読了感。
今夜は誰かと一緒にご飯が食べたくなる。
そんな一冊です。
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