摂食障害~不安や怒りを治めるため。親に認められない承認欲求を満たすため。
摂食障害とはいわゆる拒食症や過食症のことですが、うちのBPDの妻にもそういう症状があります。本人の弁によると、そのような行動は小学校の高学年からしていたらしく、最初は親のいない時に大量に食べて、喉に指を入れて吐くということをしていたのだそうです。いわゆる過食症です。
その後、私と出会った頃には、過食して吐くということのほかに、食べて吐かないということもしばしば。前者を過食嘔吐、後者を過食否嘔吐というようです。そのせいもあってうちのBPDの妻は一時は私より体重があって、最盛期には私と出会った頃の倍くらいの体重になっていたこともありました。
特に精神的に大きなプレッシャーがかかったときや、何か嫌なことがあってむしゃくしゃした時、まるで腹いせのように無言無表情で手当たり次第に食べまくるのです。またそのせいか、何でもない普通の時でも…食事の後に牛のように反芻することがあって、一度喉を通したものを口に戻して咀嚼し直し、また飲み込むということを日常的にしています。
ではどういう時にそうなるのか?
主に不安な時、心配事がある時、または怒りがこみ上げてどうしようもない時などですが、私から見ているとその行動はまるで、親の愛情に対する飢えを癒やすかのように行われます。生きているだけで漠然と不安…その不安を食べて満腹になることで癒やしている、いや一時的に忘れようとしているのです。
だから精神的に調子が悪いときには、少しでもおなかが空くと食べて、食べて、、、その繰り返しが体重の増加を招きます。私は健康であれば気にしないのですが、BPDの妻は朝起きていきなり不機嫌に当たり散らすこともあって、そういうときに理由を聞くと、毎朝計る体重計で太っていたから…とか、昨日食べたいのを我慢したのに痩せなかった…とか、言われることがよくありました。
<これは私の想像ですが、BPDの方は過食症が多いのではないでしょうか?拒食症のように、太ること、醜くなることへの恐怖から食べられない…ということよりも、うちの妻を見ていると、やはり親の愛着や愛情に飢えて、食べることで満たそうとする…ということが多いのではないかと思います。
そのような寂しさは食べることで埋まるはずがないので、食べても食べても満足しない、ということの繰り返しになります。逆に、体調がよい時、機嫌がよいとき、精神的に落ち着いている時などは、うちのBPDの妻はかなり小食です。なので体調が良い時間が続くと、みるみる痩せていきます。
教えてくれませんが、たぶんここ3年くらいで30kgくらいは痩せたのではないでしょうか?このように不安定な食生活なので、他人と食事することや、決まった時間に食事するのは苦手です。今でも家で食事をする時は、家族と時間をずらして一人で食べています。一緒にいると、避けるような態度をされて、そもそも食事を見られることも嫌なのだそうです。
BPDのせいとはいえ、楽しい食事ができないなんて、人生の楽しみを奪われていますよね。
それにしても…私が初めてBPDの妻の過食に気づいたのは、トイレの前を通った時に中から苦しそうに吐く声が聞こえたからです。トイレの中でゲーゲー言ってれば気づきますよね。最初は、身体の具合が悪いのか?と本当に心配しましたが、出てきたBPDの妻に尋ねたら、食べ過ぎたから意志的に吐いたのだそうで、それから私は摂食障害について調べました。
しかしBPDの妻の両親は、私と付き合う前、一緒に暮らしていても摂食障害には気づかなかったと言っています。そんなはずはないと思うのですけど…。その時に親が気づいて手当てしていれば、BPDになる前に、摂食障害や鬱などで食い止められていたかも…そう思います。
BPDの妻によると、大学くらいの時に、わざと親が気づくように、冷蔵庫に入っていたキャベツを丸々一個、食い切ってトイレで吐いたそうです。もちろん生のまま。堅い部分は生ゴミに出して、冷蔵庫からキャベツがなくなって。。。なのに親は何も言わなかったというのです。BPDの妻によると、めんどくさいから気づかないふりをした…らしいです。
精神的な問題が顕著に表に出てくるのが摂食障害ではないでしょうか?うちのBPDの妻の場合、そのアラームを親に無視されて、ますます症状が悪くなってBPDに向かっていったのではないでしょうか。そのような症状を見つけたら、ちゃんと手を当ててほしいものです。
※2024.3.17更新
※この記事は別のブログ「はる書店」で公開していたものを再編集したものです。
BPDの妻の介護にはとてもお金がかかります。もし私の記事を読んで、ためになった、良かった、共感した、などありましたら、お気持ちだけで良いのでサポートよろしくお願いします。