本を買わないという目標を達成できない本好きの話【エッセイ】
新しい本を数冊買うことを
「自分書店に入荷する」
と表現する方々がいて、
素敵だな、自分もやりたいなと思って自分の本棚を見てみました。
すると、
「ちょっと店長、本を入荷しても置く場所がないですよ!
いつか絶対読まれるからとか言い訳してとりあえず入荷するのやめてくれません?
管理するこっちの身にもなってくださいよ!」
と居もしない自分書店の店員の抗議の声が聞こえてきました。
ぐぬぬ。
紙の本を読むのも好きなのですがそれ以上に買うのが好きで、
すぐに「読まずに積んでおく本=積読本」
を増やしてしまいます。
その分読み終わった本はよほど気に入った本でない限りは
定期的にどんどん手放すことにしていて、
主に近所の古本屋さんに持ち込んで買い取ってもらっています。
一度読まれた後全く開かれずに個人の本棚に差しっぱなしになるよりも、
立ち読みでも誰かに読まれた方が本も嬉しかろう、、、
と自分に言い聞かせながら。
自分書店には空きがないものの、
本棚の近くに手放す予定になっている本が十数冊積み上がっていたので、
とりあえずこちらを古本屋さんに持って行って部屋のスペースを確保することに。
「今日は前から狙っていた本が見つからない限りは買わないぞ」
と決意して古本屋さんに向かいました。
買取の受付を済ませて、いざ古本屋さんの中へ。
しかし
「あまり本を買わないぞ」と思っている時に限ってたくさん目的の本が見つかるのは何なんですかね。
ずっと高かった本が何冊も急に安く売ってたりする。
売り場を何周もしながら徐々に冷静さを取り戻し、なんとか文庫本三冊まで絞りました。
が、なんと売り場を何周もしたせいで、
新たな気になるジャンルも発見していました。
気になるジャンルを見つけたらひとまず全体的にどんな本が出ているか気になってしまうもの。
見つけたのがビジネス書だったので、
ビジネス書ならいいでしょと言い訳をしつつ
お会計をして新刊書店へ向かいました。
いろいろ試し読みをしてこれぞという一冊に絞ったところで
せっかくだからもう少しふらついていこうかな
という気分になり、
「本をあまり買わない」という目標を念頭におきつつ夏の100冊フェアのコーナーへ。
100冊紹介の小冊子はすでに3社分予習済みで、
未読のものだと今年は新潮文庫が良さげだったので新潮文庫のコーナーに行きました。
元々買うつもりだった本を探し始めたその時。
小冊子では確実に読み飛ばしていた、
夏目漱石の「夢十夜」が目に入りました。
装丁がもう圧倒的に良かった。
限定カバーになっていて、
特に「新潮文庫」とかの文字がオーロラ仕様でキラキラになっててたまらなくかわいい。
装丁に一目惚れして買う、
いわゆる「ジャケ買い」ってやつです。
今回の限定カバーでジャケ買いしなかったら夏目漱石は読まずに一生が終わってたかもなと思うと、少し感慨深いです。
そんなこんなで改めて振り返ってみると、
あまり本買わないようにとか言って結局5冊も買ってる!あれ?笑
しかも本屋さんはしごしちゃってる!
自分書店の棚には空きがないわけですが、
はてさてどう言い訳したものか。。。