社会の中で話すのは向いてないんだろな
覚えた言葉だけでは自分のことを表現できない。
語彙力の乏しさに嫌になることがある。
友達と話す時は口が止まらないくらいに饒舌になるのに、
それ以外の場では、人が変わったように言葉が出ずに、気持ちの悪い間がその空間を支配する。
緊張とかそういうものではない。
単純に”大人としての”語彙力が足りないのだ。
向暑はるは今日も何度か言葉が詰まった。
言いたいことは頭の中では整理できているのに、なぜか言葉として上手く表現できない。
聞き手が友人ならそれがオノマトペでも通じるのかもしれない。
でもそんな誤魔化しは社会では通じない。
メールの文も、考えるだけで時間を費やしてしまう。
これが友達とのLINEなら3秒で考えられる。
日常と社会の語彙は大きくかけ離れている。
どちらかといえば向暑はるは日常寄りの人間だから、どこか曖昧な表現を好む。
”具体的”を求める社会には、向暑はるは通用しない部分が多い。
向いてないなんて逃げ出したくはないけど、たぶん向いてないんだろな。
”たぶん”の理由も、言葉にしようとすると表現できない。
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