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多様性を無視する恐怖…①

根拠は歴史が証明している。

1980年代にイギリスで導入された「人頭税」をご存知だろうか。
歴史的大失策だと言われている。
これも多様性の欠如による失敗の代表例だ。
人頭税とは、全世帯が一律定額の税金を納める税金だ。
年収1億でも年収250万円でも同額の税金を納めるという恐ろしい税金。
当然富裕層は減税になり、貧困層が増税になり、暴動が起きて300名以上のけが人が出て、100名以上の逮捕者が出る騒ぎになった。

皆さんは当時のイギリスの政治家をアホだと思わないだろうか?
私は思った。
しかし、この政策を決定した審議会のメンバーは、名門校から名門校に進学するエリート中のエリートで、ごくごく真面目に公務に取り組む人ばかりだったという。

暴動が起きたあとも、「電気を消せばいいではないか」と真顔で言ったという逸話も残っている。

盲点は気づけないから盲点なのだ。

当時のイギリス政治の舞台には、どんなに頭が良くても庶民が上がることはなかった。
隣の家が数キロ先にあるような豪邸で育った人にとって、数十万円という金額の単位がいったいどれくらいの価値なのかをはっきり想像できないのも無理もない。
私達が彼らの感覚を想像できないのと同じだ。
それ自体はいいも悪いもない。
問題は「盲点に気づけないこと」に気づいていないことだ。
多様性の重要性とはつまりはここにあるといっても過言ではない。

同じ視点を持つ集団の恐ろしさ

四角いエリアは問題空間。丸い図形は各々の視点。
右半分はまるまる盲点だ。
人頭税は極端だが庶民、もしくは庶民出身の人間が一人でも審議会メンバーの中にいたら暴動など起こらなかったはずだ。

みなさんの身の回りでこんな現象は起こっていないだろうか?


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