ものを売るには「ポジショニング」が重要|アートフェア東京と百貨店の比較
こんにちは、ともはです。
藝大卒の画家で経営者とコーチをしています。
最近風邪を引いてしまって、声が出なくて困っています。
朝急に早く起きなきゃいけないことがあったり、子供が変な時間に起きてきたりでバランスを崩してしまったようです。
いつもならそのくらいでは風邪引かないのですが、ちょっと疲れも溜まっていたようです。
いま新しい試みを準備しているので、オーバーワーク気味だったかもですね。
そんな中、近所で藝大の同期が個展をするというので見に行きました。
彼の個展は東京アートフェアでも盛況で、ほとんど完売といった感じでした!
僕も1点購入しました。
はじめて人の絵を買いました。
それまで、絵は自分で描くものというイメージでしたが家に人の絵を飾るというのは新鮮な体験です。
さて今日お話ししたいのは、彼の最新作の展示作品たちがほとんど売れ残ってしまっていたようなんですね…。
これはどういうことかな〜?!
と、自分なりに考察してみようと思った次第です。
彼の最新の個展会場に行った時に「これは本当に売れるのか?」とちょっと思っていました。
アートフェア東京2024のときは「これは売れるだろう!」と思いました。
さて何が違ったのでしょうか?
作品のクオリティは、やや描きすぎというか密度は高めでした。
ただ、普通に見て分かるかというとほとんど差異はわからないと思いました。
作者の熱量はむしろその密度に表れていて、熱量などは高いなと思いましたね。
画題はほぼ変わらず。
ではなぜ売れなかったのか?
それは「場所」です。
まさにポジションですね。
人の多さとかは純粋にあると思いますが、百貨店の顧客リストもあると思いますので売れるものは売れるはずです。
その前提で考えると…
アートフェア東京は、現代系の作品が多いんですね。
先鋭的な彫刻や原色鮮やかデジタル技術を使ったミクストメディアなども多く見られます。
その中で、日本画で黒と金を基調とした彼の作品は対比的に非常に目を引くものになっていました。
他との違いが明確でした。
またアートフェア東京2024には、日本画のギャラリーの出展は少なく、伝統的なモチーフも扱っているので安心感もあった。
そしてその「安心感=他との違い」になっていたので、よく売れたということです。
その「安心感」が差別化になる場合もあれば、百貨店のギャラリーでは黒・金・赤といった工芸品的な要素は「コモデティ化」してしまう要因になってしまっていました。
百貨店のギャラリーに展示されている日本画としては、オーソドックスで既視感のあるものになってしまっていたことです。
「あ、見たことある」
と言う感じです。
見たことがあるのであれば、その中で安いもの、すでに価値のある有名な作家のものを買おうとなると思います。
頭の中で、他のものと比較を始めてしまって、目の前のものを買おうとは思わなくなっていきます。
日本で水を高く売るのは大変ですが、砂漠で水を売れば簡単に高く売れるんです。
じゃあどうすればよかったのか?
「個展が始まる前にどれだけ売れる状態が作れているか」ということです。
パンフレットや展示の仕方への作家の介入が見られなかったので、そういう意味でも本当に場所が悪かったとは思います。言えなかったのか、言わなかったのかはわかりませんが…。
かたやファンのたくさんいる作家やギャラリーというのはしっかりと世界観を作って売ってくので、買える機会さえあれば、多少の展示の難は気にせずお客さんは買いにきます。
「希少性の高まるポジション」で販売することは意識していかないとですね!
よく誤解があるのは、認知されてないから売れないんだというものがあります。
誰もが知っている百貨店会場での展示です。
認知はされていたはず。
「それでも売れていない=認知の問題ではない」
ここはポジショニングにおいてめっちゃ重要だけどわかりづらい点ですね。
僕自身、最近までその辺の解像度は低かったです。
次回は僕なりの仮説とポジションを踏まえて今やっていることについてお話ししようと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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