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RRR(史上最強のインド映画)をみた感想 ー1920年代のインドの考察ありー

とにかく圧倒的で、息をのみ続ける3時間。楽しくて、面白くて、感動して泣けて、見終わった後は、映画の世界から身も心も抜け出せない時間が続くいてしまう。何がそんなに魅力的かって?

これでもか、と言わんばかりの圧倒的な世界観と映像技術。3時間という長時間を感じさせないほどの、ストーリの面白さと音楽のすばらしさと魅力溢れるキャラクターたち。

キャラクターのモデルになったのは、実在したインドのヒーローたち。インド独立のために、自ら立ち上がった人たちの、情熱とエネルギーに尊敬を感じ、大きな勇気を得られる。私は、映画の中に出てくる「シータ」のような美しい心で生きたいと思った。困っている人がいたとき、自分は自ら手を差し伸べてあげられる人になれるだろうか?

また、「ラーマ」の決して自分の信念を曲げず生きる姿に、本当の人の「強さ」を感じた。結果ではなくプロセスを重視し、最後まで生命を全うする姿に、鳥肌が立った。どんな状況でも(劣悪な獄中にいても)、たとえ明日終わる命だと知っていても、信じて生きる気持ちを曲げない心の強さを私も持っていたい、と強く感じた。ありたい姿を掲げてくれたこの人たちのストーリ、本当に素敵でした。最高です。

とはいえ、この物語、史実に基づかないフィクション映画、といいつつも、時代背景について、少し考察してみたい。1920年代のインドは、イギリス帝国による支配下にあり、その時期は「ラージ」として知られる英領インド帝国の一環だったとのこと。以下に、当時のインドの支配状況と主な出来事について説明します。

1.政治状況:
1920年代初頭のインドは、イギリス帝国の植民地として統治されていました。インドはイギリスの経済的利益や資源確保のために植民地とされており、イギリスの支配下におかれていました。政治的には、イギリスによる直接的な統治が行われており、インド人の政治的発言力は限定的でした。

2.非協力運動:
1920年代には、マハトマ・ガンディーを中心とする非協力運動が展開されました。この運動は、インド人がイギリスの支配に対して非協力の姿勢を示し、抗議行動を行うことを目指していました。非協力運動はボイコットや抵抗の手法を通じて、イギリスによる支配に対する抗議を行いました。

3.虐殺事件:
1919年、アムリットサルのジャリアンワラ・バッグで非武装の市民がイギリス軍によって銃撃され、多くの死者が出る虐殺事件が発生しました。この事件はインド人の怒りと反発を引き起こし、イギリスへの不満が高まる要因となりました。

このように、1920年代のインドは、イギリスによる支配に対する不満と抗議が高まっている時期であり、特に非協力運動がインドの独立運動の重要な一翼を担ったとされる。映画の中でも、「ビーム」が激しい虐待に耐えながらも、決して力ずくで抵抗はせず、ただ静かに信念を燃やす姿が描かれている。非協力運動、って一人でやっても、なめられて終わりな気がするけれど、それが周りに与える影響・エネルギーを思うと、ガンジーの運動がインド全体に広まったのは、「ビーム」がそうであったように、その勇気ある行動が人々の感情を動かしたからだと思う。

この映画はあまりにも、スカッとするハッピーエンドでもあるが、実際は、こうした勇気を持ったインドの当時の英雄たちやそれを支持して立ち上がった多くのインド市民が、虐殺されたのが史実。その苦しみと悲しみが、今のインドに根付いているからこそ、この映画が大ヒットしてインドの人々に勇気を与えていると思うと、また更にこの映画が好きになる。是非、みてみてください。

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