改名するべき食べ物トップ3
せっかく美味しいのに、味や見た目のイメージとそぐわないんだよ。
許せない。改名を命じる。
●第3位 「タン塩」
タンというのが痰を彷彿とさせてしまう。
「牛タン」はまだ牛がついてるぶん牛肉の何がしかだとイメージがわくが、
タン塩はもうタンと塩しかないだろ。
たんしお。たんしお。たん…。
なんかヤだ。改名を命じる。
お前は今日から「しおたん」だ。
よし。ひっくり返しただけで、何だかアイドルの愛称みたく甘く親密な響きになった。
タン塩に目がない肉食女子は今日から「しおたんが好き」と言ってみよう。
女子力を下げずに焼き肉好きをアピールできるぞ。
●第2位 「 雑炊」
この「ぞう」が、あたかも雑巾を連想させしまい、雑巾をしぼった水で調理したかのようなイメージを持たせてしまう。
それに「象」のイメージにもつながる。
あのシワシワの黒くて固いザラザラの皮膚。
ぞうすい。ぞうすい。雑…。。。
イヤだな。
煮込み粥に改名しよう。
そもそもおかゆという、もっとも近しい柔和な名前があるんだから、そっちに統一すればいいんだ。
「煮込み」とつくだけであたかも時間をかけてコトコト煮込んだみたいな、
なんか手がかかってる感じがするだろ。
あ、今思い出した。
「雑煮」お前もだ。
お前は今日から「餅煮(もちに)だ。
何?モツ煮みたいで紛らわしいだと?
モツは嫌だな。響きが臓物みたいだし。
あ、実際臓物なのか。
なら「お餅煮」と呼んでやる。
元々「お雑煮」とか呼ばれてたんだからそれなら違和感ないだろ。
お餅煮。
正月に会えるのを楽しみにしてるぜ。
さて、1位の前に…
●番外編 「昼ごはん」
もう幼稚園の頃からイヤだったよ。
昼が蛭を連想させてしまうんだよ。
誰が考えたんだか知らないが、
もっとも結びつけたくないものと何でわざわざ同じ音にしたんだよ。
日常で「昼」ってどれだけ繰り返し使われると思ってるんだよ。
昼と蛭じゃ使用頻度が天と地ほど違うんだよ。
「蛭」なんて一生の内で何回出てくるかって話だよ。
むしろ出てこなくていいんだよ。
想像するだけで怖気が走るんだよ。
苗字にヤツの漢字がつく人には本当に申し訳ないけど、ヤツのことが苦手過ぎるんだ。
むしろこれはヤツのほうを改名するべきだと思う。いやダメだ、改名したところで元の名のイメージが残ってるんだから意味が無いか。
というわけで昼ごはん改め、今日からこれを「昼食」に統一する。
いいか、「ちゅうしょく」だからな。
たとえ舌が未発達な3歳児だろうと教えるときは「昼食」だからな。
今後、令和生まれで昼食を昼ごはんと呼ぶ人間はいなくなる。
何?「お昼」って略して呼んでるだと?
そこはお前、おちゅーとかおぬーんとか、なんかテキトーに考えてくれ。
●第一位 「餃子」(ぎょうざ)
もうね、何を考えてるんだと。
何を無理やり日本語にしてくれてるんだと。
俺の好物に何してくれてんだよ。
濁音を入れすぎだろ。
じゃがりこと同じくらい濁ってるよ。
でもじゃがりこはいいんだ。
ギョウザはギョウという音がダメだ。
なんか仰々しいし禍々しいし、寄○虫の名前みたいだろうが。
これじゃ女性が敬遠するだろ。
ただでさえニンニク入ってるのに、ギョウザなんて名前にしたら、いかにも「ニンニク臭を気にする概念など欠片もない、野卑なオッサンの食べものですよ」ってイメージが強化されてしまうだろうが。
お店の売り上げにも影響してるに違いない。「ギョーザの王将」じゃいくら美味いと分かってても敬遠してしまうんだよ。
「男の食い物だぜ!」て言ってるようなもんだよ。
これが「シャオロンポウの王将」だったらもっと女性客も入ってるよ。
たとえニンニクが同じだけ入ってても女性は入るよ。
「ギョウ」と「シャオ」じゃ響きが違うんだよ。
というかシャオロンポウなら王将より王妃がいいな。
今からでも女性向けのお洒落な中華料理チェーン「シャオロンポウの王妃」を展開したらどうだろうか。
忘れてた。本題に戻ろう。
今日からギョウザは「チャオズ」に統一する。
チャオズ。もうこれ以外ないだろ。
さすが本場の人達は分かっておられる。
あの小ぶりな一口サイズ感。
香ばしく焼き上げた感。これを表す音はチャオズ以外にありえないだろ。
せっかく鳥山明がドラゴンボールで餃子の正しい読み方を広めてくれたのに、
まったくこの国は完全に道を誤ってしまったようだ。
いいですか、今日からチャオズですよ。
食べに行くのはチャオズの王将です。
ラーメン屋で頼むのもチャオズセット。
おつまみチャオズ。
パリパリチャオズ。
ギョウザバーよりチャオズバーのほうが行きたくなるだろうが。
ふう、改名したらスッキリした。
これで日本の食の問題の20%は解決したな。
え、何?
「お酒のどぶろくはそのままでいいのかって?
どぶろく…ドブ…
うーん…
あれはいいんだよ。
美味いし。
イメージと合ってるし。
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