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自伝

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本マガジンは私の自伝的エッセイです。私自身の「生きづらさ」を感じるようになった体験を綴っています。
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#コミュニケーション

言葉の意味が分からない

 学校で問題行動を起こし、家族から懐疑の目で見られるようになった私は自らの愚行を振り返る度に、鬱々とした気持ちにならざるを得なかった。性的観察を行ったこと、家族に対する下劣な行動を取ってしまったことは「世の中の恥さらしだ。」と自己批判するしかない。

 最大の課題は、人とのコミュニケーションである。言葉の意味をまるで理解できていなかった。そう自覚したのは、まだ生まれてまもない頃のことだ。

 3歳

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社会が求める「コミュニケーション能力」

 就職活動を始めた私はリクナビやマイナビなどの求職情報サイトに登録し、説明会の参加のために企業へ訪問したり、大学のキャリアセンターを利用して自己分析や面接の練習を行ったりなど対策を講じてきた。

 当時(2008~2010)の就活市場は冷酷な状況だった。

 新卒一括採用を行う企業の採用人数が大幅に縮小され、大手・中小問わず「厳選採用」という手法に切り替わった。転機となったのは、リーマン・ショック

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虚無感

 自分の家に閉じこもり、外の世界との関わりを避けるようになった私はいつしか憂鬱な気分へと変わっていった。

 暗闇のトンネルに迷い込み、出口を目指して彷徨うように自分の内面世界に入り浸った。どうしようもない虚無感と孤独感を抱えていた。

 部屋に引きこもった私はもはやどうすることもできなかった。過労死問題がクローズアップされたテレビ報道や労働者が求人詐欺に遭い、酷な労働条件や低賃金で働かされたケー

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