【自己肯定感と心の教育①】自己肯定感を育むために保育・教育者ができること
保育や教育において、
自己肯定感を育むことは
子どもの成長や発達にとても重要です。
自己肯定感は子どもが自分の価値を信じて、
自分自身を大切にする気持ちの基盤となります。
保育者や教育者が具体的にできるアプローチをご紹介します。
1. 子どもの存在を認める(無条件の受容)
・子どもの性格や能力に関わらず、
「あなたがいることが大切だ」と伝える態度を持つ。
・成績や行動の結果に関係なく、
子どもの存在そのものを認める言葉掛けをする
例えば
「あなたがここにいるだけで幸せだよ」
「一緒にいてくれてうれしいよ」
2. 感情表現を尊重して寄り添う
・子どもが怒りや悲しみを感じたときに、
それを否定せずに受け止める。
例えば
「今、悲しいんだね。どうしてそう思ったのか教えてくれる?」
・自分の気持ちを言葉で伝える練習を助けることで、
自己理解を深める。
3. 多様性を尊重して個性を大切にする
・比較せずに一人ひとりが持つ特徴を「いいね」と肯定する。
例えば
お互いのステキなところを伝え合うような
相互理解を促す活動を取り入れる。
4. 失敗を受け入れる環境を作る
・失敗を否定的な経験として捉えるのではなく、
成長の一部として受け入れることを教える。
例えば
「失敗しても大丈夫!
次はどうしたらうまくいくか一緒に考えてみよう」
など言葉かけをする。
5. 小さな成功体験を積み重ねさせる
・子どもが達成可能な課題や目標を設定して、
その成功体験を積み重ねられる機会を作る。
・小さなことでも「できた!」を実感させて、
それを周りの人たちと共有する。
例えば
靴を自分で履けた
絵を描き終えたなど
6. 具体的な声掛けで努力を褒める
・結果だけでなく、
努力や過程に注目した言葉掛けをする。
例えば
「あきらめずにできたね」
「この部分、すごく工夫したね」
と具体的に伝える。
7. ポジティブなコミュニケーションを取る
・「ダメ」や「やめて」の多用を避け、
前向きで具体的な指示を与える。
例えば
「走らないで」ではなく「歩いてね」という表現にする。
8. 保育者自身も自己肯定感を高める
・保育者・教育者が自らの価値を認め、
自分に優しくなることが重要です。
・職員間でお互いを褒める習慣を作り、
職場全体の雰囲気をポジティブにする。
9. 自己肯定感を育む絵本や歌を活用する
・絵本や音楽には子どもたちが感情を理解し、
自分を好きになる手助けをする力があります。
・子育て経験や心理学の学びをもとに2011年から制作を始めた
いのうえちはるの絵本や保育ソングは、
自己肯定感や心の温かさを育む目的で作った教材です。
例えば
「イートンともりのどうぶつたち」は
1の子どもの存在を認める(無条件の受容)内容の絵本です。
「にじいろめがね」は
2の感情表現を尊重して寄り添う内容の絵本です。
「サカサナマズのマーズ」は
3の多様性を尊重して個性を大切にする内容の絵本です。
「トゲトゲのシャボン」は
4の失敗を受け入れてあきらめない心を育む内容の絵本です。
また、
保育ソング
「おしっこシーシー出るかな?」や
「パンツーマン」は
トイレトレーニングの際に
5の小さな成功体験を積み重ねさせる効果があります。
「お野菜食べる子だぁ〜れ?」は
苦手なお野菜が食べられるようになる応援をするので
6の具体的な声掛けで努力を褒める効果があります。
「おててをつないで出発進行」は
お散歩の際に「前見て歩こう」「はしっこ歩こう」など
7のポジティブなコミュニケーションで
お散歩のルールを伝えるのに効果的です。
「今を生きよう」
「泣いてもいいよ」
「だから好き」は
8の保育者自身も心を解放し自己肯定感を高めるのに効果的です。
10. 継続的な取り組みを行う
・自己肯定感を育むことは一朝一夕でできるものではなく、
日々の積み重ねが重要です。
・日常的に小さな行動を繰り返し、
子どもの中に「自己を肯定する文化」を根付かせる。
そのためにも保育や教育の中に絵本や音楽を通して
自己肯定感を育める教材を活用されることをおすすめします。
こうした取り組みを通じて、
子どもたちは安心して自分を表現し、
自分の可能性を信じる力を育むことができます。
特に、「音楽や絵本」の活用は効果が大きいため、
「絵本と音楽のワークショップ」や
「えほんライブ®」のようなプログラムを導入するのもおすすめです。