なつごえ~季節の便りに想う
今年は蝉の声がやけに近い。
わが家は涼しく過ごせる造りにしたこともあって、いつも夏は遠くからじんわりと迫ってくる感じだった。
なのに。
「もうすっかり夏だよ、なにのんびり構えてるの?」と急かしでもするような鳴き声だ。
新入りハーブたちの見回りついでに雑草天国と化している裏庭を見やると、すぐ近くのローレルから鳴き声が聞こえるような・・・
それだけじゃない。
多分その奥のギンドロか姫リンゴからも聞こえる気がする・・・
蝉は立派な生き物だしましてや空を飛べるのだから、住居にしていた裏山の隣家の土地から引っ越してきても全くおかしくないのだけれどね。
なにせ三河湾国定公園のすぐ傍なのだから、鶯からイタチの類から名前も知らない鳥や虫の数々まで生き物は豊富だ。
ふとわが家の14年という歳月を思った。
新築の一軒家と言いながら気が付けば10年以上。臨月も臨月でアパートを引き払って引っ越してきて、妹の結婚式に愛知から実家の石川まで車で往復し、その1週間後には出産した。
そしてその退院数日後には自分の計画を進めるため、玄関のアーチから扉までのスペースに小さな池を作るべく穴を掘っていた・・・
娘と共に時を数えている家。
設計時から自宅サロンとして計画して建築士さんに内部の導線から外構まで細かく相談しながら作り上げた家。
掘れば大きな石ばかりゴロゴロでてきて雑草すら生えるのを嫌がっていた土も、植えては枯らしたりしているうちに一部は大きくて太いミミズが何匹も住んでいる土に変わっていた。
荒れ放題の裏庭を見ればときおり猫や山鳩が散歩している。
どこからきたのか玄関に蛍が迷い込んだこともあった。
ツバメが巣を作ったり、雀に乗っ取られたり、種の異なるコシアカツバメが巣を改造したり・・・
蝉は土中に7年住むという。
品種によっても違うのだろうと思うけれど、家を建てて、わたしが木を植えて。
その木が大きく育ってきたのを見た蝉が気に入って自らの生命のサイクルの大半を費やす場所に選んだのだろうか。
そんなことを想ったらふと感慨深くなって、もう一度外へ出てみた。
朝の光が高く上った庭はもう何の気配もなかった。
気温が上がって蝉たちは食事に向く木へと移動したのかもしれない。
静かな「いのち」たちが一層愛おしくなった朝だった。
▽▼▽▼▽庭の様子(左から月桂樹、ギンドロ、ギンドロの蝸牛、メラレウカ(ティーツリー)、姫リンゴ)▽▼▽▼▽
ヘッダー画像は色づく前のブルーベリー。
姫リンゴはこんなに実を付けたのは今年が初めて。既につやピカ肌ではないですが色づくのが楽しみです。
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