モノローグ『山のあなた』 第七稿 試作朗読後
男が一人ベットの横に座っている。ベッドには父親が寝ている。
でさ、『山のあなたになほ遠く「幸」住むと人のいふ。』
って詩を読み終わった後、大泣きしたろ。
結婚式で泣く父親なんか初めて見たって笑うんだよ。
(父親の顔に自分の顔を近づけて) 息、静かになったね。
痰の吸引はしなくてもよさそうだね。
ちょっと血色悪いね。酸素濃度あげとこうか。
聞こえる、父さん。
父さん、今年喜寿だっけ。
俺が厄年だから、そうだよね。
伯母さんたち、お祝いに来るかな?
結婚式の話されるかも