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「ムーミン谷」からしか得られない力がある

カバなのか、妖精なのか、トロールなのか。
ムーミンは一体なんなのだろうか。

巷のキャラクターショップにはムーミングッズが所狭しと並び、この前も雑誌の付録にはムーミンシリーズのキャラクターをモチーフとなっていた。
私の友人にもムーミン好きがいて、ムーミンというキャラクターは本当に多くの人に愛されているなと実感する。

そんな私はというと、ほんとにここ最近遅ればせながら「ムーミン」の魅力に気付き始めたのである。

私のお母さんはずっと昔に「カルピス劇場」でアニメを観ていたらしく、ムーミンの話を出すと「ねえムーミン~♪」とテーマソングを歌い始めた。

でも可愛らしい丸みを帯びたムーミンのビジュアルに反して、お母さん曰く「ムーミンは意外と怖くて不思議なお話」なんだそう。

私がムーミンに興味を持ったきっかけは、最近読み始めたこの本である。

大好きなYouTuberがVlogの中で紹介していた本だ。

これまで1度もムーミンを観たことも読んだこともなかった私だったが、「障がい」について大学で学んでいたこともあり、すぐに本屋さんで購入した。

ムーミンの世界を「発達障害」の観点から読み解いていく本書。
ムーミン初心者でいきなり読み始めるのはさすがに難しいかなと感じて、先にアニメを視聴してみることに。

そこで驚いたのが、「ムーミン谷」という世界観が想像していたものとは大きく異なっていたということだった。

子どもが観るアニメのように「勧善懲悪」ではない。
意外とみんな心に影があるようにも思える。

みんな自由気ままだし、バラバラだし。
「え!そんなこと言うの!」とか、
「え!そんなことされても何も言わないの!」とか、
「え!そうなっちゃうの!」とか、
驚くことも大変多い。

そして、意外とショッキングな起承転結があったりもする。
簡単に言ってしまえば「カオス」な空間なのである。
でも、どうしてこんなにも国境を越えて多くの人に愛されるのかは分かったような気もする。

きっと、これからの時代もっともっと「ムーミン」が求められるようにもなってくるだろうと思う。

あれだけ自由気ままなキャラクターたちが集まっても、みんな平和に穏やかに暮らしている。思いがけないことが起こっても、何とか乗り越えている。

様々な人が集まり、一緒に生活しているこの世界において、ムーミンたちの生き方や考え方は大いに学びになる。

とりわけ凄いのは「ムーミンママ」かもしれない。
何が起きても動じない、広い心で受け止め、流してくれる、ムーミンママのような心をみんなが持てば、少しは生きやすくなるのかも。

そう言えば「ムーミン」はもともと、「傲慢なくらい自由を求めたい」というところから生まれたキャラクターらしい。

「傲慢」って悪いことのように捉えられがちだけど、案外そうではないようにも思う。人に優しすぎて、自分に厳しすぎる人は、ムーミン谷のみんなみいたいに、もっと「傲慢」になっていいんじゃないかな。

ムーミンやリトルミイ、スナフキン。
彼らはカバでもなく、人間でもなく、そこにいる存在なのである。

確固たる自分を探さなくても大丈夫、
そのままで自由に、ときに傲慢に。

そんな優しくて、みんながありのままで生きることができる多様性が共生できる世界のつくり方をムーミン谷は教えてくれているのかも。

ムーミンたちからしか得られない栄養があるように感じた最近です。
これから小説版も読破していこうと思う。



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