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農業ブランマーケデザイン思考(3/3)
さて今回で3回シリーズの最終回となります!
前回は組織のブランマーケデザインの思考法をお伝えしました。今回は商品やサービスを考えるための思考法です。
今回も音声で聴きたいぞ!という方はこちらからどうぞ↓
まずは全体のおさらいです。
ブランマーケデザイン項目
❶あなたとは何か?
あなたの農園とは何か?
あなたの商品とはどんなものか?
❷それは誰に売りたいのか?
誰のためのものなのか?
誰のどんなことを解決できるのか?
❸それを何処で売るのか?
幾らで売るのか?
どのように売っていくのか?
❹それを売るためには何が必要なのか?
❺どんな見せ方、伝え方がいいのか?
❻どう作るか
今回はこの中から6つ、使用します。
商品やサービスへの
ブランマーケデザイン項目
❶あなたの商品とはどんなものか?
あなたが作るその商品やサービスの特徴をまずは書き出しましょう。どんな違いがあるのか?どんな優位性があるのか?どんな独自性があるのか?これは農園(組織)のブランマーケデザインの場合と同じプロセスですね。
前回の流れの続きでいきますので弊社はりまぜデザインを例にお話していきますね。弊社で例えると【オリジナルのシール】ですね。
そのシールは小さいものですが、とんでもない効力を持っています。一枚、袋に貼ることで売り場で確実に目立ちます。そして一度買ったお客様が「また買いたいな」と思った時にストレスなく簡単に思い出せる、そんな最強のツールです。という感じです。
❷それは誰に売りたいのか?誰のためのものなのか?誰のどんなことを解決できるのか?
これはもう簡単ですね、僕の事例の場合では農家の皆さんです。
では、あなたの商品は誰に買ってもらいたいですか?あなたのサービスは誰に使ってもらいたいですか?意外と実はこの質問にさらりと答えられる方が少ないです。しっかりとお客様を設定できていない方が多いです。設定というと冷たい言い方になりますので、もう少し血の通った言い方をすると見えていないというかんじです。あなたのお客様はどんな人ですか?これが見えないととてもまずいです。
僕は最初、家庭用品の商品をデザインしているときに、これが一番辛かったです。自分の担当している商品をどんな人が買っているのか知りませんでした。その状態で商品やパッケージをデザインしても、誰に何を訴えていいのかわからなかったのです。そこでどうしたかというと、そう!売り場ですね。答えは売り場にしかありません!!
勤め人時代も行き詰まったらすぐに「売り場見てきまーす」と言って会社を出ていました。サボっていたわけではないですよ。だってサボったら仕事が終わらず帰れませんでしたから。。。
恐ろしい数のデザインを最短納期で作らないといけない。。。そんな中、お客様が見えない状態でPCにしがみついていても答えなんて出ません。そういう時は必ず売り場です。売り場に行くと、自分が今からデザインしようとしている商品と、同じようなものが必ずあります。全くの新しいインパクトなんてそうそうありませんからね。というか多分ないと思います。どんな商品やサービスも必ず何かの延長線上なんです。ですのですぐに売り場に行きます。そうするとお客様が見えるんですね。「あんな人が買っているんだ」とお客様が見えてくるのです。実際に眼の前にいますので!さあ、あとはそのお客様に「欲しいな」と思ってもらえるように作れば良いだけなのです。
❸それを何処で、幾らで?どのように売っていくのか?
今あなたはお客様を探りに売り場に来ているとします。お客様を観察すると同時に売り場では、価格の調査も行いましょう。市場調査、マーケットリサーチができます。まずは市場の全体像を把握してください。そしてあなたの商品の値段を決めます。市場に合わせていくのか?あえて上を狙うのか?頑張って下をくぐる戦略でいくのか?考えていくわけですね。
周りに合わせすぎると価格の勝負に巻き込まれてしまいます。かといって高すぎても売れませんし、安すぎても信用と価値を失います。
価格設定のお話はこちらをどうぞ↓
そして売り場に合わせて価格を選定することもとても重要です。例えば産直市場で超高級品は売れません。それは何故か?日常使いの売り場だからです。ギフト商品を探しに来る売り場ではないんですね。逆に百貨店やセレクトショップでは安すぎると売れません。チープなもの、偽物などと思われてしまいます。売り場事にお客様は違う※のです。
※ここで注意したいのが【違う】と言っても【別人】という意味ではありません。使い方(シーン)が違うのです。あなたもそうだと思いますが「今日の晩御飯は何が良いかな」と「友達の結婚祝いはどれが良いかな」ではシーン、つまり課題やジョブが違うのです。ですので【お客様が違う】というのは別人ではなく【同じ人でもシーンによって違う】という意味です。
どんなお客様に買ってもらいたいのか?を考える場合は同時にどんな売り場で売るのか?も考えないと失敗します。
❹それを売るためには何が必要なのか?
農園(組織)をブランマーケデザインする場合と大きく違うのがこの工程です。商品を売るためには必ず資材が必要です。つまりパッケージですね。
無地の袋でいくのか、印刷をした袋なのか、シールを貼るのか、箱に入れるのか、段ボールなのかなどなど。これはどういう売り方をするのか?どういう流通に載せるのか?などで全て変わってきます。またどんな使い方(シーン)なのかによっても変わります。日常使いなのかギフトなのか?です。これをしっかり考えないと、とんでもない経費がかかってしまったり、逆に経費をケチってしまったことで売れなかったりします。売れないならまだしも、クレームが殺到してとんでもないことになる可能性もあります。。。
サービスを販売するときも同様です。専用webサイトやカタログなどが必要になるかと思います。
❺どんな見せ方、伝え方がいいのか?
❹で決まった資材を今度はどうやって見せていくか?伝えていくか?ですね。ネーミングを考えたりキャッチコピーを考えたりが重要になります。
あなたの商品をいかに端的に伝えるかです。「この人に売りたい!」と決めたその人に、どうやったら刺さるか?それを考えます。特にネーミングとキャッチコピーは大切です。せっかく❹までに作り上げてきたものがこの工程の作り込みの甘さで崩れ去ってしまします。
❻最後に、どう作るか
さあ、いよいよ最後にデザイン作業です。❶~❺で作り上げたブランドとそのブランドを売るための戦略、つまりマーケティングを踏まえ、それをいかに手に取ってもらえる形にするか。そのためにはどんな色、どんなフォント、どんなイラスト、どんな写真、どんな形、どんな素材、どんな手触り、どれがベストなのかを組み上げ、生み出していきます。
まとめ
Process 1 : まずは【ブランディング】として
❶あなたの商品とはどんなものか?
とにかく特徴や強み、独自性を書き出してみてください。
❷それは誰に売りたいのか?誰のためのものなのか?誰のどんなことを解決できるのか?
お客様をしっかり見つめて把握しましょう!
Process 2 : 次に【マーケティング】として
❸それを何処で、幾らで?どのように売っていくのか?
❷で見えてきたお客様を実際に観察するために売り場へGO!
❹それを売るためには何が必要なのか?
特に商品はそのまま売るわけにはいきません。包装資材や提供方法などを考えてみましょう。
❺どんな見せ方、伝え方がいいのか?
伝え方がすべて!
Process 3 : 最後に【デザイン】をし、生み出す
❻最後に、どう作るか
そしてしっかりと生み出しましょう!
さあ!3回にわたりシーリーズでお送りしていきましたがいかがだったでしょうか?
ブランマーケデザイン。そうつまり、ブランディングをし、マーケティングを施し、それをデザインして生み出す。この3つは全て繋がっているんです!一つ終われば次へ、それが終われば次へと途切れること無くバトンを渡していくことでどんどん形にり、そして世の中へ出ていくのです。
このプロセスを踏まえることで、目的である「売り上げアップ、利益アップ」をめざすことができるます。
デザインはセンスではない!商いはセンスや思い込み、自分本位ではない!ということがわかっていただけましたでしょうか。
今回は大きく農園や組織をブランマーケデザインする工程として4つ。商品やサービスでは6つの工程をご紹介しました。これはあくまで簡易的な骨組みです。ここからそれぞれの条件によって細分化されたり枝分かれしていきます。まずはこの基本の型をぜひ使ってみてください!
最後に
何故僕がブランマーケデザイン思考を公開しようと思ったのか?
最初は僕も見た目だけを作る、デザインとは名ばかりのオペレーション作業をしておりました。それはそれで良い場合もあります。何でもかんでもブランディングやマーケティングが必要かというとそうではないんです。新商品や新サービスなど、時代に合わせたものは早急に世の中のトレンドを掴み、スピード感を持って市場へ投入し、どんどんリニューアルをかけて成長をさせていくほうが良い場合もあるからです。しかし、農業分野はそうは行きません。メーカーのように頻度高くデザインをやり変えていく時間もお金もありません。一度作ったものは長く永く使い続けていくことになります。もちろん、丁寧に作ったからと言って長持ちするかはわかりません。わかりませんが、しっかりとブランディング、マーケティングが装填されたデザインしか、長く生き残っていけない!と、僕は言い切れます。
僕が作ってきた5,000アイテムほどの家庭用品のデザインで、今現在も売り場に残っているのは10アイテムもないです。。。しかしそれら生き残ったアイテムは逆に言うと、激流のように流れていく時代の中で、しっかりと売れ続けている、ということになります。農業デザインでも、2012年ごろに作成させていただいたシールをいまでもしっかりと使い続けていただいております。一番長い方ですともうかれこれ13年です。消えていったデザインと長く使い続けられるデザイン、この差は何か?と考えたのです。もちろん業界ごとに違いもありますがそれらを振り返るとやはり、ブランディング・マーケティングをきちんと施したものばかりなのです。
僕は幸運にも見た目だけのデザインと、しっかりブランディング・マーケティングを施したデザイン、その両極をさせていただけたことで、その違いを見つけることができました。
一回限りの成功ではなく、失敗パターンをがっつりと経験できたということがとても大きいです。
成功というのは概ね偶然なんです。色々、幸運が重なって成功します。(もちろん成功しよう!!と毎回バットを振りますが、ホームランはそうそう出ません。。。ヒットが出たら上々)
しかし、失敗パターンというのは、悲しいことに再現性が高い。。。こうすれば必ず失敗する、という法則性が山程あります。ということはその法則さえ把握していれば排除していけるのです。例えば品名が小さいと売れにくい。中身が見えないものは売れにくい。オシャレすぎると売れにくい。などなど。これこそが僕の究極の資産なんです。
この失敗の資産は大量の経験がないとパターン化できません。繰り返しですが僕は本当に幸運でした。たくさんのお客様に恵まれ、たくさんのデザインを世に送り出すことができました。ですので、失敗パターンをたくさん経験してきたのです。
たくさん失敗してきましたので偉そうには言えませんが、、、僕はあなたよりも前を歩いているつもりです。見えない暗闇に、自らの力で明かりを灯し、手探りで転びながら、前を歩いています。その僕が歩いた足跡の上を、どうぞあなたにも歩いてほしいのです。それは何故って?だって
失敗なんてしないほうがよい!!!
失敗なんて一人で良いのです。皆で失敗する必要はありません。時間の無駄ですしお客様に申し訳ない。ですので、僕が経験してきたことを【ブランマーケデザイン】という思考法として体現化し、皆様と共有しようと思いたったのです。失敗をするともちろんあなたも大変ですが、お客様も不幸になりますので。。。
ちなみにブランマーケデザインを商標登録申請しております。現在審査待ちです。これは商標を取得し、「みんな使うなよ!真似をするなよ!」というつもりではありません。その逆です!どんどん皆様使ってください!口に出して広めてください!文化にしてください!そして歴史に刻んでください!!!そうなればお客様が幸せになり、あなたも儲かるようになります。そしてあなたが儲かれば必然的にデザイナーへの仕事も増えます。そうすれば僕やこれからどんどん成長してくる若手デザイナーも儲かります!!そうなのです皆、ハッピーになるのです!!!
あ、その際、できればこのブランマーケデザインは「角田誠という和歌山の田舎デザイナーが形にしたものだ」ということを、小さくてもいいので補足しておいてくださいね。やがて僕がこの世から去ったとしても、僕の思いは生き続けることができますので🎖️✨️小さなお願いです🙏
では皆様、どんどんこのブランマーケデザイン思考を使い倒してください!!!そしてまた随時、アップデートを更新していきますのでこのマガジンも登録しておいてくださいね!ぜひ楽しみに待っていてください!
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