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【農業分野のパッケージデザイン】で根本的に足らない要素!


買う理由

さて突然ですが皆様、食べ物を購入する時、
どんなポイントで選びますか?
値段でしょうか。品質でしょうか。内容量でしょうか。
色々な判断基準があるかと思います。
しかし一番の買う理由は「美味しそう」だからではないでしょうか。
安いからといって不味そうなのに買うでしょうか。
たぶん買わないと思います。
私達は「美味しそう」だから買います。
つまり「情緒的」に訴えかけることで消費行動が起きます。

農業分野の現状

では、農業分野を見てみましょう。
直売所などに並んでいる野菜や果物、確かに新鮮で美味しそうです。
しかし、では何故なかなか売れないのでしょうか?
それは
あなたの商品だけではなく、他の生産者の商品も美味しそうだからです。
旬の時期には誰のものも美味しそうです。しかも周りを見渡せば、皆同じタイミングで売場に出品します。つまり買う理由は「美味しそうだから」だが「選ばれる理由」は別のところにあるのです。農業分野に足らない力はこの「選ばれる」という力です。
直売所などでよく見かけるのは「〇〇さんちの野菜」や「私が作りました」と自身の写真をレイアウトしたシールやPOP。またはトマトに「トマト」と表記しているものなど。。。
知らない人の名前や顔を見ても欲しくなりませんし、トマトも見ればわかります。。。景品表示法によりトマトに「トマト」と表記しないといけませんが、それはJANコードシールのところに表示しているはずです。ですのでせっかくシールを用意して貼っているのに、そのシールにまた「トマト」と各必要があるのでしょうか?
アピールしましょう!と売り場から指導を受け、よくわからないまま「何かしなきゃ」と作ってしまった結果だと思います。繰り返しですが知らない人の顔写真が貼っているからと言って選ぶ理由にならないのです。

自分の名前だけのシールもよく見かけますが、まったく特徴がわからない。

「選ばれる理由」を作る

「選ばれる」には「選ぶ理由」を作らないといけません。
生産者の皆さまは「選ばれる」ですが
消費者からは「選ぶ」です。
消費者はいつも「美味しそうなものの中から自分に合ったもの(欲しいもの)」を選ぶための理由を探しています。

そこで必要になるのが「パッケージデザイン」です。
したがってパッケージデザインは「おしゃれ」「かわいい」「かっこいい」という見た目だけで作ってはいけません。

3つのポイント

パッケージデザイン作成で重要なポイントは3つ。

●ベネフィット(利益や満足感)を伝えること

「こんな特徴がある」「こんな人におすすめ」などと「伝える」ことが大切です。キャッチコピーや写真など、瞬時に伝わる工夫が必要です。
・キャッチコピーを考えるときに陥りやすいのが「ポエム」なものです。
 こねすぎて何を言っているのかわからない、、、
 こんな風になってしまっては意味がありません。
 商品の特徴を端的にわかりやすい言葉で伝える。これが大切です。
・写真も陥りやすいのが作品としての良さを追求しすぎる、
 ということです。商品の特徴をいかに端的に伝えるか?が重要です。
 ですので作品としての美しさ(映え)より「美味しそうに見えるか」
 「特徴がわかりやすいか」といったわかりやすさ
の観点が大切です。

●目立ち、覚えてもらえるか

いかにベネフィットを表記したとしても、それが売り場で目立たなければ存在しないのと同じです。もし買ってもらえたとしても、思い出せないと「以前買ったトマト、美味しかったけれど、どれだっけ」と忘れてしまいリピートに繋がりません。みなさんも普段買っている商品のパッケージを完璧に思い出せるでしょうか。ちゃんと思い出せるものは少ないと思います。人間の記憶力はその程度なのです。
ですので!!!
しっかりと覚えてもらえる特徴のある見せ方が必要になります。

●ネーミング

品種名を記載しているだけの方が多いですが、品種名を見ても特徴は消費者にはわかりません。野菜ソムリエさんならわかるかと思いますが、一般消費者に「アイコ」「キャロル7.」「サンチェリー」「シシリアンルージュ」などと言われてもピンとこないんです。。。(農業のデザインを13年しておりますが未だに僕もわかりません。。。)
そこで、品種名ではなく「塩トマト」など特徴がわかるネーミングを考えます。

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