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イタリア④ ピサ 斜塔と海
ガリレオ・ガリレイが落下実験をしたというピサの斜塔。
このお話は、実は創作だと言われているそうだ。
しかし、世界的に有名なので、ピサと言えばこのお話を思い出すのではないだろうか。
ガリレオ・ガリレイのお墓は、フィレンツェのサンタ・クローチェ教会内にある事は、先日の記事で書いたが、彼はここピサで生まれた。
また、ピサ大学で数学の教鞭をとった時代もある。
初めてピサを訪れた時は、塔の内部に入る事ができない時期で、外から眺めただけだった。
1990年から20年に渡り、修復工事をしていたのだそうだ。
斜塔を背景にして、色々な人がそれぞれポーズをして、写真に収めている。
一人一人を見ているだけでも、面白い。
もちろん、私も何枚かそのような写真がある。
記念として残すには、ぴったりの観光地だろう。
修復工事を経て、4センチほど傾きが直ったというそのピサの斜塔は、その隣にあるドゥオモ広場を含め、世界遺産だ。(1987年)
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二度目にピサを訪れた時、ようやく塔に登ることができた。
指定された時間まで、ドゥオモやその広場を見学する。
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ドゥオモ内部。
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やっと斜塔に登れる時間になり、螺旋状の階段を登っていく。
高さ55.86メートル。
階段は296段あるそうだ。
人が歩くところだけ、石がすり減っている。
多くの人が、ここを登ったことの証明だ。
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上に行くごとに、その傾斜を強く感じる。
平衡感覚が狂い、そしてグルグルと続く階段に、気分が悪くなってしまうほどだ。
外界に触れられる上部のエリアでは、下向きの傾斜の部分にいると、塔から落ちてしまいそうな不思議な気分になる。
先程まで見学していたドゥオモを、上から見ている。
他の建物の屋根がオレンジ色なので、その屋根の白さが、際立つように美しい。
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街の様子。
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最上部には、大きな鐘がある。
鐘を鳴らす衝撃で塔がこれ以上傾かないようにと、今は鐘が鳴らされることはないそうだ。
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斜塔の見学のあとは、街を囲む城壁を歩く。
ピサは海洋貿易において、ヴェネツィア、ジェノヴァ、アマルフィ、ドゥブロブニクと共に、5つの海洋共和国に挙げられる程、海港都市として栄えた。
ドゥブロブニクにもこのような城壁が建設されていたが、どちらの街も、街を守るためにこのような強固な城壁が必要だったのだろう。
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ピサの城壁は、1周3キロだそうだ。
城壁の上を歩いてみた。
ようやく誰もいなくなった城壁で、写真を1枚。
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城壁から、ピサの斜塔とドゥオモを見る。
城壁の上から見える住宅も風情があってとても素敵なのだが、城壁からは内部まで見えてしまうお宅もある。
ドイツでは、外から見える場所に濯物を干すことはしない。
景観を損なうという理由からだ。
イタリアでは、色とりどりの洗濯物があちこちに干されている。
そんな小さな違いも、他の国に来たのだなあと思わせてくれる。
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ピサでもまた、美味しいお料理をお頂いた。
マカロニを長くしたような、穴が開いたパスタ、ブカティーニ。
ローマ地方でよく食べられているという事だが、その機会がなかったので、こちらで。
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海のある街なので、お魚を頂く。
メカジキをレモンと一緒に焼いたもので、さっぱりしていてとても美味だった。
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ピサ滞在の最終日に、私達はピサの海を見に行った。
海岸沿いには、何キロにも渡り露店が出ており、とても活気がある。
洋服が多かったが、本、DVD、雑貨、靴など、様々な種類のお店が集まっていた。
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海の色は青く、波は荒いので白い波が立つ。
そして、青い空に白い海岸。
青と白のコントラストが、まるで絵葉書のようだった。
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斜塔だけでなく、ピサの美しい海を見ることができて、満足度が一層高まった。
今まで訪れた、多くの港町を思い出す。
この海から、大きな船がたくさんの品を積み、それぞれの港へ出発していったのだと思うと、頭の中にヨーロッパの地図が浮かんだ。
そして、地球儀の姿も。。。
ガリレオ・ガリレイのお墓に、地球儀がある事を思い出す。
彼も、この海をきっと見ただろう。
およそ400年前の海は、どんな様子だったのだろう。
寄せては返す、その荒い波を、いつまでも見ていた。
『それでも地球は動いている E pur si muove』
彼もまた、私と同じように海岸に座り、じっと海を眺めながら、その理論について考えていたのだろうか。
荒い波打ち際から、水平線へとゆっくり視線を移す。
その何もない広い海から、地球を感じた。
地球は動いている。
そして、私の鼓動も、この海の美しさに、いつもより早く動いていた。
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