1/35三号突撃砲G型"フィンランド"(タミヤ)#2~考証的な話
製作するキットはこちら
タミヤ 1/35 MM310 三号突撃砲G型"フィンランド軍"
(TAMIYA StuG III Ausf.G "Finnish Army" )
今回のキットは製作する仕様がいろいろと選べるため、のっけからですがそんな話をいたします。
仕様考証
このキットは前回も書いたように、元はドイツ軍仕様で発売されたキットのバリエーションです。
フィンランドに供与された三号突撃砲は全59輌。生産工場や仕様、戦歴や戦後の所在などはすべて調査されて判明しています。
↓ここに全調査がまとまっています(英語)
タミヤのキットに収録されたデカールは4種類、いずれもベースになったドイツ仕様のキットと同じ角形砲盾を装備した初期供与の30輌のうちから選ばれています。
迷彩塗装図は1例しかありませんが、実際のパターンは各個体まちまちです。
三号突撃砲に限った話ではありませんが、突き詰めると生産工場や生産時期によって細かく差異があります。
供与された車輛もそれぞれバラバラの仕様のものとなっています。
さらにフィンランドでは供与直後の1次改装(前期改修型)に加え、継続戦争での戦訓を得たうえでの2次改装(後期改修型)もされ、さらに戦後にもいろいろといじられている場合があるので同一車両でも時期によって状況が異なりますし、現存車輛の写真も決定版資料にはなりえません。
製作にあたっていろんなサイトを調べてみた限り、実はタミヤのキットでは
デカールに対応した仕様ピッタリでは作れないようです。
元となったドイツ仕様キットの流用のためでしょうが、細かいところまではフォローされていないようです。
いくつかあげてみると…
・キットは天井装甲板がボルト止めですが、実車はどれもマイナスネジ止め。(この時点で全滅)
・フェンダー支持架・取り付け金具の形状が異なる。
・ワイヤーロープの取り付け金具がない。
・エンジンルーム装甲版の溶接痕のパターンは12号車のみが合致。
こまけぇことはいいんだよ!の精神で作ればいいのですが、知ってしまうと気になってしまうもの。
といいつつも、ある程度こだわっても当時の鮮明な細部画像があるわけでもないですので、どうしても推測や想像でやらざるを得ない部分もあります。
ですので大まかな制作方針として、
・なるべく手直しをしないで済むものを選ぶ
・修正が大変な部分は見て見ぬふり
・簡単な手直しで済むところはやる。
という日和った感じで行きたいと思います。
どれを選ぶか
比較検討の結果、
531-12号車"Lea"を前期改修型で製作する
としました。
個人的な趣味ですが、まずコンクリートアーマーはのっぺりしていて魅力を感じないので前期改修型で製作するのは大前提。
コンクリートと丸太よりも、3色迷彩とハカリスティを重視したい。
天井装甲版とフェンダー関連は大変なので見て見ぬふりをします。
エンジンルーム装甲版はそのままでOK。
ということで、次回からようやく組み立てに入りたいと思います。
※タイトル画像はwikipediaより