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私の丁度いいTOKYO!

おいでませ。玻璃です。

朝起きた時から暑い…。
今の日本の暑さと比べると、この時はまだマシなのかもしれないが、セミの声も寝汗で身体に張り付くパジャマもすっかり夏を感じさせてくれる。

そう、夏が来た。
待ちに待った夏休みだ。

新幹線に乗って東京に向かう。
当時、小郡駅(現:新山口駅)⇨東京駅は6時間くらいかかっていたが、その間もそわそわワクワクが止まらない。
今回は中1の窓際族の頃から仲良しのひろべえと共に行くことになった。
ひろべえは東京近郊の親戚のところにお世話になるという事だ。

私は一番上の姉、さゆり姉さんのところに一カ月間お世話になる。
この頃さゆり姉さんは、なんと青山のマンションに元夫のタカシ兄さんとルームシェアで住んでいた。
都内でもオシャレで高級な街。
バリバリの萩っ子には似つかわしくない街だが、渋谷まで5分。
なんて便利なんだろう。
これが東京!さすがTOKYO!

まず、私とひろべえがやった事は、バイト探し。
一カ月間遊び歩くというのはもったいない。
どうせなら東京で遊ぶお金くらいは自分で稼ごうと交通の便がよい渋谷で早速探した。

当時、犬も歩けばバイトに当たるというくらい、「フロムエー」や「an」にアルバイト情報が満載だった。
でも、結局働く事になったのは“アルバイト募集”の貼り紙があった

「渋谷フルーツパーラー西村」。

渋谷駅を出て、あの超有名なスクランブル交差点の角にある老舗の高級果実店。その2階のパーラーでのホールのお仕事だった。

時給は他より少し安かったが、たくさんのアルバイトがいたので、シフトも自由な感じだし、一カ月限定バイトの私たちにはなんだか気が楽だった。
もちろん他のアルバイトの子達は東京の子達ばかり。
そんな中、萩っ子で田舎者の私たちは最初はビクビクしながら仕事を覚えた。
でも、だんだん仕事にも仲間にも慣れてきて、私たちの方言をツッコこまれながらもバイト帰りはそのまま渋谷で遊んだり、ご飯に行ったり、カラオケに行ったりして交友を深めた。

都会の子たちの恋愛事情もドキドキしながら聞いていた。
そこにはあの憧れてやまない、吉田まゆみの漫画の世界があった。
逆に田舎の恋愛事情やネオンのない生活が彼女たちには面白かったらしく、話が尽きることはなく大いに夜遊びを楽しんだ。

休みの日はひろべえといろんなところに遊びに行った。
原宿、新宿はもちろん、浅草などの下町や横浜観光もした。
とんでもない開放感がそこにはあった。
通り行く人たちはだれも私のことを知らない。
お化粧をして歩いてもだれもじろじろ見ない。

この大都会の中でも姉がいるから安心だし、同じ萩っ子のひろべえもいる。
そしてバイト先には、憧れ続けた東京の高校生たち。
そんな私の「丁度いいワクワク」がこの夏休みにはあった。

そして今回の夏休みのもう一つの楽しみは、放送関係の専門学校の見学会だ。電車に乗るのももう慣れてきている。
どんな学校なのか想像してはニヤニヤしながらその日を待っていた。
家庭の事情で、行けるはずのない学校見学。
それでも私はほんの少しの奇跡をどこかで信じていたし、憧れの世界をのぞいてみたかった。
その話は次回。

ではまたお会いしましょう。

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