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負けん気ワッショイ

おいでませ。玻璃です。

商業科に入学した以上、商業科目が勉強できなければ話にならない。
商業科と言えば代表科目は簿記だ。
貸方?借方?
貸借対照表?
精算表?

何じゃこりゃ?

初っ端からつまづいた私は、全くやる気ゼロ。
しかも担当の先生の説明もわかりやすいとは言えない。
簿記担当は舞姉さんが通っていた頃に担任をしていたハシモト先生だ。

私が舞姉さんの妹だとわかると、ちょいちょい舞姉さんの名前を出してきて比較する。
それがうんざりの原因か、一学期の中間試験は悲惨そのものの点数だった。

簿記の時間に一人ずつ教卓のところまで返される答案用紙を取りに行く。
私の名前が呼ばれて取りに行くとハシモト先生はすぐに渡してくれず、

「姉ちゃんもいい加減、卓球ばっかりやって勉強できんかったけど、お前の方がひどいなぁ。お前の家は旅館やっとって商売しとったんやろ?どうやったらこんな点がとれるんか?」

みんなの前で散々な言いようだ。

”旅館!?いったいいつの話してるんですか?”

私は心の中で腹立たしく叫んだ。声にならない声だ。

だが、腹が立ったのはここまで。
点数を見て、愕然とした。

10点…。ん!?
そんなわけないよね?

でも確かにこのテスト、全然わからなかった。
取れた10点も最初の方の問題で簡単な〇✕のところを当てずっぽうに答えたところだ。

ガビ~ン!!
死語だ。死語なのはわかる。
でも、ガーンよりその上のガビ~ンの方がこの場合正しい気がした。

直接的に点数を発表しなくてもヒラヒラとみんなの前で振るものだから点数は見えている。

悔しい…。悔しすぎる。
くっそ~ハシモト、覚えておけよ!!

これも心の声だ。
この事が私のハートに火をつけた。
期末試験に向けて、そこから私の巻き返しが始まった。

この頃はネットで調べるということもない。
参考書を買うのも何となくお金がもったいない。
ひたすら教科書を掘り返して理解するところから始めた。

最初は???ばかりだったが、一度わかってくるとするすると飲み込めた。
そこはハシモト先生が言うように商売屋で育ったというのもあるのだろうか?
わかってくると面白い。
今度は教科書と一緒に配られた問題集を何度も何度も解く。

試験前はコタツに入りながら、紅茶を飲み、お気に入りの洋楽をかけながらひたすら問題を解く。

試験当日、簿記のテストの時間。
いつになく緊張しながらテストに向かう。

中学の時から勉強嫌いな私は、こんなに勉強したのは中学に入学した初めてのテストの時以来だ。

とりあえず、やれるだけはやった。
後は結果を待つだけ。

また前回と同じく教卓前に一人ずつ取りに行く。
いよいよ私の番だ。

ドキドキ…。

「お前何か悪いことしたんか?どうしたんじゃ?」
と言いながら渡された答案用紙は…

95点!!

お、惜しい!凡ミスをやってしまった。

それでも前回より85点もアップした!!
やればできる!

とうとう最後までハシモト先生から誉め言葉は聞けなかったが、思う存分自分で自分を誉めた。

負けず嫌いの気の強さ、今回は吉と出た。
ただ、この後ずっとこの点数をキープできたかというとそれはなく、中の上くらいを行ったり来たりしていた。

それでも、あの時の自分の頑張りは今も私の宝物。
ちなみに、今もお金のことは苦手。
あの時のようにどこかで一丁頑張るか!

ではまたお会いしましょう。


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