ぼくの好きな先生②
おいでませ。玻璃です。
皆さんは人生の中で「この人こそ私の先生」と言える先生がいるだろうか?
私にとっての先生…ショージ先生についてシリーズで語っている。
夜遅くまで起きているせいで朝が苦手な私。
3年生ともなると、自転車通学はヘルメット必須だったため自転車を使うのはやめてバスで行っていた。
でも、そのバスの時間すら間に合わないダラダラぶりで、毎朝朝食は摂らずカップに入れた紅茶を持って母の車で送ってもらっていた。
母は私に甘かったんだなぁと今は思う。
それでも、遅刻することが多かった。
裏門から入るのだがいつも閉められるギリギリだ。
遅刻が決定すると教室の廊下で先生が来るのを正座して待つのが我がクラスのルールだった。
3階にあった3年4組。正座しているとスリッパを少し引きずるように階段を上がってくるショージ先生の足音が聞こえる。
「またお前かぁ!?」
正座している私は素直に頭を差し出す。
ゴッツン!
げんこつを食らって教室に入るのが私のルーティーンのようだった。
3年生の春はそうして始まり、修学旅行の季節でもあった。
行った先は九州、長崎や熊本だった。
長崎では原爆資料館をはじめグラバー邸や大浦天主堂を見学し、熊本では阿蘇山へ行った。
移動中のバスの中、伝言ゲームなどのゲームで盛り上がっていた。
そんな中、一人の生徒が
「せんせぇ~、何か歌って!」
「え?わし??」
そういえばショージ先生は自分のことを「わし」と言っていたなぁ。
最初は戸惑いを見せていたショージ先生もとうとうマイクを持ち、アカペラで歌い出した。
「たばこを~すいな~がぁら~♪…」
「ん?何?この歌?」
みんなポカンとする中だんだん熱唱になってきた。
「ぼくの好きなせんせぇ~ ぼくのすきなおじさ~ん」
この歌は誰の歌?
この歌は上手いのか?
しーーーーーん…。
パチ…パチ…パチパチ…。(拍手)
「RCサクセションの ”ぼくの好きな先生” でした」
と、恥ずかしそうにマイクのスイッチを切った先生。
なんとも気まずい雰囲気になったが、そこはプロのバスガイドさんがいい感じで入ってきてくれて、なんとなくその場は持ち直した。
先生の歌った曲はこれである。
個性的な曲と歌声。
これをアカペラで歌ってもその頃の私たちには伝わらず…残念!
でも、「ぼくの好きな先生」を恥ずかしそうに歌った先生こそが今でも尚、「わたしの好きな先生」だ。
ではまたお会いしましょう。