見出し画像


人間、この空虚な壁から突出した生きもの

ひとつ出来た
ふたつ出来た

真空の階段を少しづつ昇り
その肌のぬくもりもいつか忘れてしまうのに
笑顔を汲んで
いつも満たされたくて踠いている奥のおく

こんなにも嬉しかったことや
こんなにも悲しかったことが

忘れるという仕業の前に
もろもろと崩れて落ちて

フロントガラスの向こうに
積み重ねてきた日常を探すが
何処にも見あたらない

すべて壁が持ち去った
決してもう戻れない壁が

いいなと思ったら応援しよう!