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新卒の私を育ててくれた上司のことを思い出してみた②

無事に正社員として就職した私は、北海道の支社ではなく、東京本社で働くことになりました。本社の同期は全員関東出身者でした。

「東京で働いている人は、都会っぽくて自分とは違う感じがする。怖い」という気持ちを少し抱え、入社式に臨んだことを覚えています。

数日間の新人研修が終わり、同行営業期間を経て、1人で営業に出るようになりました。

「あれ…?なんで?」

半年間のインターンシップによりアドバンテージがあるはずなのに、全然売れません。東京での初受注は同期に先を越されていきました。

・北海道は決裁権のある人に営業できたが、東京には稟議というもので   
  決済をとるらしい(組織が大きいとそういうものらしい)
・アイミツというのがあるらしい
・「検討します」は「いりません」という意味らしい
・「予算がない」は「お前に払う金はない」という意味らしい
など

これらに気が付き、営業スタイルと変えないといけないということを社会人3か月目に知りました。

ある日「あ~そういうことか!」と気づいたのではありません。
この間はとても悩んでいて、突破口が見つからず記憶がないほど辛い時期でした。役員に「期待外れだな」と言われたことは覚えています。
ストレスで太り続け、インターン時から17キロ増量しました。

そのあとの上司は、営業部門の責任者(営業部長)でした。私があまりにも可哀そうという理由で直々に教育してくれました。

この人の営業は、胸がすくというか、仕事が楽しいだろうなと感じるものでした。

・効率重視(利益率重視)のため、クロージングが良い意味で早すぎる
・関係ないものもついでに売る
・大風呂敷を広げるが、それ以上に結果を出す
・商品の価値だけを語る(商品スペックは質問があれば話す、でも詳しい)
・部下に自由にやらせて全部責任をとる
・昼は絶対に外で休まない(緊急対応があるかもしれないため)
など

とてもあっさりした営業で、顧客に迎合しない、相手が知りたいポイントを簡潔に伝える方でした。
営業部長に同行してもらい、徐々に東京での売り方が分かってきました。

売れるようになり、たかだか半年のインターンで学んだと思っていたことが甘すぎたと理解しました。

~新卒の私を育ててくれた上司のことを思い出してみた①より~
・人って1人でここまでできるんだ
 →それぞれに役割がある組織では、それでは孤立する
・発信していれば共感する人・仲間が集まってくる
 →人が多いエリアでは競合が過多。相当に魅力的な内容でなければ
    ならない

・やるべきことをやれば、あとからお金がついてくる
 →それでは商売が成り立たない
・すごく小さなステップでも積み上げつづければナンバーワンになれる
 →短期間で成し遂げなければ商売が成り立たない

北海道は支社立上期で市場調査に近い段階であり、固定費を抑えつつネットワークを作ることが重視されていたため東京本社とビジネスの環境や条件が異なっていました。
この条件下では「学生の私がたどたどしく頑張っている」姿がかえって功を奏したのかもしれません。
また、ポイントと思っていた上記要素は私が見えていたよりも、もっと凄まじく、支社長の血がにじむような努力があったことを、数年かけて理解しました。当時は綺麗ごとを夢見ている甘い学生だったと痛感しました。

市場調査とは言え本社の利益で支社が支えられていたので、東京で稼がないと全部がつぶれてしまう環境であったこと。なにより東京で競合過多な状況でいかに利益を出すことが難しく重要かということを、営業部長が貴重な時間を割いて新卒ペーペーの私に教えてくれました。

営業部長のおかげで「可哀そうな私」から卒業でき、次の上司は外部からヘッドハントされた女性の営業課長に変わりました。

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