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毛の話。
今年やりたい10のことというお題をnoteで見つけた
10個もないのでとりあえず1つ書いてみる。
毛のことだ。
眉毛のことだ。
私は毛が濃いのに眉毛だけがない。
「抜いたら生えんくなるぞ」
大人のの忠告を無視して思春期に無茶苦茶抜いた
親の仇のように抜きまくった
どれだけ抜いても夏の雑草の勢いで生える眉毛。
昔、親戚で集まった時に
「父方の子は女もみんなゲジ眉やな〜」と言った酔いどれのオッサンがいた。それ以来私は眉毛を抜かないと気が済まなくなった。
濃いめの眉が汚い虫に喩えられたのは耐え難かった。
そして親戚の集まりには行かなくなった。
抜いていないと落ち着かない
ゲジ眉…の烙印を押された日からコンプレックス
結果的に20歳を過ぎても生えつづけた。
生えなくなるなんて嘘だと思った。
鏡と毛抜きは必需品だ。
*
30歳を越えても生えるかと思いきや生えなくなった。ついに毛根が諦めてくれたのだと思った。
まばらに生えるようになった。
その生え方がまるでバーコードハゲ。
バーコード眉毛。
コレ、ピッとしたら何か買えそう。
右と左で微妙に商品変わりそう。
化粧で眉パウダーを一筆なぞるだけでいいがスッピンの時に気になる。アイラインを白ペンで一本ずつ書いている時に、ハゲのオジサンもこんな苦労があるのかとふと考えてしまう。昔、振りかけるタイプの増毛剤あったなぁと思いだす。
あと銭湯行く時に気になる。
バーコードハゲのおじさんを見るたびに潔く坊主に剃ってしまえばいいのにと思っていたが、いざ自分の眉毛がバーコードになったら危機感を覚えた。
そして生やしたい。そう、思った。
*
眉ティントをしたことがある
化粧品の一種で簡単に言うと皮膚を染めるのだ。
ただやってる時は完全にゴルゴ13。
あと1発書きでミスれないプレッシャーがある。
昼間にやってて、宅配そのまま出てしまったことがある。配達員めっちゃ笑い堪えてた。
ゴルゴの家に宅配きてもたと思ったに違いない。
背後に立つと危ないぞ。
夜にやってて夫がトイレに起きてきて、「うわ〜お〜」とびっくりしていた。それくらい結構なインパクトがある。完全にイモトさん。
セーラー服でコモドドラゴンと駆けっこをしていた姿は忘れられない。
もう少し息子が幼い時は眉毛をみるなり「ママじゃない!!」と大騒ぎされた。判断基準は眉毛なのか?
そんな一晩塗って寝れば1週間薄〜く持続する眉毛。
3日と持たない。なんでや。なんでそこだけ新陳代謝ええねん。なんで落ちる。もっと根性みせてくれ。
*
幼少期に「ゲジ眉」と言ったオッサンはもう鬼籍に入っている。葬式にも出ない遠い親戚に植え付けられたコンプレックス。
高校時代に一本一本、毛抜きで駆逐することに疲れた私はカミソリで剃るようにした。
ある日、保健の先生に「アンタ眉毛剃り過ぎて青なっとるやん」と笑われた。静かに泣いた。
なんで休む場所で痛めつけられないアカンねん。
多感な思春期だというのに。
*
メイクが上手い友人に相談した。
補色を利用して青い部分に緑の下地を塗ってアイメイクすればいい。
金言を頂いて学校帰りに緑の下地を購入した。
でも、あまり効果がなかった。
厚塗りがすぎて逆に目立つようになる。
*
そして行き着いたのがフレームの太いメガネだった。赤の太めのメガネ。エヴァのマリみたいな形の赤いメガネ。その頃から私はメガネの民になった。
今も安定してメガネ。
寝る時もかけてる。
銭湯のサウナでもかけてる。
友人と温泉に行った時にメガネかけて入ったら
「何が見たいねん」と笑われた
「おっぱいだよ。合法で見れるんだよ。」
「最高じゃん」
ゲラ。
まぁ、普通にかけてやな危ないねん。
石鹸落ちてても分からず踏んで頭打つ未来なら見える。
それくらい目が悪い。
15cm先はぼやける。
*
就職する時に「メガネは消耗品だからね…」と先輩に言われた。コンタクトにするか出来るだけ安いものをかけといた方がいいとアドバイスをもらって、その日の帰り道に通勤経路あった「3本1万円!」ののぼり旗が立つ謎の爆安メガネ店でメガネを購入した。ちなみに今はもう潰れた。
私は割とすぐに人の言うことを聞くタイプ。
出来上がってからはTiffanyのいかにも折れそうなメガネを大切に外して、激安メガネをかけて仕事に向かった。その激安メガネの1本を今もかけている。もう年季が入り過ぎている。
今は呪術廻戦の真希さん(2年次覚醒前)みたいな形だ。これをかけても呪霊は見れない。
先輩はよく殴られてメガネを壊されていた。
私はフィジカルギフテッド並みに避けられるので結局一度も壊れなかった。
一回だけ引っ叩かれた時に吹っ飛ばされて曲がったけど、壊れるほどじゃなかった。
耐久系メガネ。呪具だから。
逃げた人を追いかけて捕まえて他の人が来てくれるまで押さえつけることもあった。当然揉み合いになる。当時は俊足だったので男性職員よりも早く行けた。何も出来ないけどコードブルーは大体一番乗り。走って着いてもアワアワする。
その頃には眉毛の下が青いという悩みも無くなった。忙しくてそんなこと気にしてられなかった。
*
その職場のオッサンに「お前、眉毛と目の間広いよね〜」と言われた。
「そうなんですよ、アイシャドウ買っても真ん中に塗る色だけ1番早く底つきますねん。パレットの中で寿命が足並み乱れてますねん。」と言えるようになっていた。成長である。
私だって好きで目の所にこんなに余白がある顔面になったわけじゃない。
Excelだったら削除してしまいたい余白が目と眉の間に2マスほどある。そして上方向に改行したらちょうどいい。オラ、エマワトソンみたいになりてぇ。
一時は真剣に悩み、顔のお直しも検討したかそんな部分の整形、どこにも載ってなかった。
現代の美容医療は目を大きくしたり小鼻を小さくしたり高くしたりで忙しいのだ。
ダウンタイムも想像つかない。とりあえず痛そう。
*
何でこんなに毛の話になったのかと言うと
正月早々にした買い物(通販)で眉毛育毛剤を買ったからだ。深夜にだ。気が狂ってる。
除夜の鐘を聞いた後にすぐこれ。
煩悩が払いきれていない。
説明書を読むと元々ある毛を太くしてくれて発根作用があるとある。
2ヶ月くらいで薄っすら生えてくるらしい。
注意点として「元々毛のない場所には生えません」と太字で書かれていた。
そらそうだ。砂漠には花は咲かないし北極でヒマワリも不可能だ。
と分かってはいつつ少し不安になった。
かつて執念深い雑草のようにニョキニョキ生えた眉毛の毛根はもう死んでいるのではないか。
いくら栄養を与えても蘇らないのではないのか。
時すでに遅くないか。
0から1は無理なのか。
もう0なんじゃないのか…?
とりあえず2ヶ月くらい使ってみようと思う。
もちろん夫には内緒だ。
脱毛は簡単なのに生やすのは難しいのだ。
家庭用レーザー脱毛器で全身手入れした。
だけど眉毛はやってないのにバーコード。
*
初詣に行けば「毛」のことを願ってしまいそうなので息子と近所の公園で葉っぱを拾うにとどめた。
こんな時期にタンポポが咲いていた。
狂い咲きである。少し希望がもてた。
今年もよろしくお願いします。
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