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電車の先頭車両にある戦い
子ども(息子)を出産して、知ったことがある。
電車の先頭車両は激戦区ということ。
電車好きの男の子と、
その親たちでとにかく混んでいる。
(たまに女の子もいる)
思いはみな同じ「運転席を見たい」
小さめの子は、抱っこされて高さを確保。
大きめの子は背伸びをして低い場所から
視界を確保している。
いつも中途半端な真ん中だけが空いているけど、
それも高さを確保した子の足で占領されている。
私は独身のころ、
好んで先頭車両に乗っていなかったから
子どもたちの戦いを知らなかった。
とくに週末の電車では戦いが激しい。
子どもだけで乗っている小学生くらいの子になると
たまにマナーが悪い子もいる。
ほほう、と横目で見ながら
自分の育児を振り返る。
小学生になっても電車が好きで、
息子が一人で乗ることがあるならば、
しっかり思いやりを持って乗るように
教えないといけないな、と。
そして、たまに大人もスマホをがっつり
運転席の窓に当てて撮影している人がいる。
本気だ。
が、平日にしか見たことがない。
土日は子どもがいっぱいだと知っているからだろうか。
大人でも好きなものは人それぞれだし、
そりゃ撮影したいし
家で振り返って何度も観たいし気持ちもわかる。
わかりすぎる。
そんなとき、息子がその人の方に行きたい
と訴えてきたら、こう説明している。
「邪魔せず撮ってもらった方がいいよ。
あの動画、YouTubeに載せるかもよ!
そしたら観られるじゃない!!」
普段、YouTubeを観ない息子だけど、
なぜかウキウキした表情に変わり、
撮影している大人を凝視する。
見る対象が、運転席の向こうの景色ではなく、
撮影している鉄道好きのお兄さんに変更。
ただ走っているだけなのに、
ここまで人を魅了する鉄道。
まさにゴイゴイスー。
うわー、土日だから先頭車両
子どもばっかだー!
って、電車も思っているのだろうか。