自己効力感と認知発達:論文レビュー
こんにちは、原田です。
今回は自己効力感で有名な研究者、Albert Bandura氏の論文の一つを紹介します。
行動主義から認知心理学へのシフトの一環として、個人の認知能力の発達における自己効力感の役割に焦点を当てている点がこの研究の特徴です。
今日の論文
Perceived Self-Efficacy in Cognitive Development and Functioning
認知発達と機能における自己効力感の認識
American Psychologist, 1993
Albert Bandura
サマリ
自己効力感が認知発達と機能にどのように影響を与えるかを探求
自己効力感とは、自分が特定の状況で必要な行動を遂行できるという信念のことであり、個人の動機付け、学習、そして行動に深く関与している
自己効力感が認知過程に与える影響を理論的に検討し、自己効力感を高めることで認知機能や学習成果が改善される可能性を示す
わかったこと:
自己効力感が認知的発達にどのように関与するか
自己効力感が個人の行動や認知過程にどのように影響するかを明らかにし、自己効力感を高めることで認知機能や学習成果が改善される可能性を示しています。
論文で取り上げられた実証研究と理論的分析の例
実証研究の例
学習成績における自己効力感
学生が自己効力感を高く持つことが、学業成績や学習意欲にどう影響するかを調査する研究問題解決能力の向上
自己効力感が高い個人が、困難な課題に対してどのようにアプローチし、問題を解決していくかのプロセスを観察する実験ストレス管理
自己効力感の程度がストレスへの対処能力に与える影響を測定する研究社会的行動の変容
自己効力感が社会的スキルや対人関係の構築にどのように寄与するかを検証する調査
理論的分析の例
自己効力感と動機付けの関係
自己効力感が人々の動機付けにどのように作用するかについての理論的枠組みを構築認知発達における役割
認知発達の各段階における自己効力感の役割を分析し、発達心理学における位置付けを明確化社会認知理論の適用
自己効力感が社会的学習や行動の調整にどのように関連するかを説明するために、社会認知理論を適用感情的反応との相互作用
自己効力感が個人の感情的反応にどのように影響を及ぼすか、またその結果としての行動変容についての分析
論文から得た学びと活用場面
自己効力感の高い個人は、挑戦的な課題に対してより積極的に取り組み、困難に直面しても粘り強く努力することが示されました。また、自己効力感が学習成果や動機付けに直接的に影響することが実証されています。
より効果的な学習成果を促進するためには、自己効力感を高め、学習者のモチベーションを向上させることがポイントになりそうです。