上司のコーチング・フィードバックのエンゲージメントと離職への影響:論文レビュー
こんにちは、原田です。
今日は、上司のリーダーシップ、リーダー行動(コーチングとフィードバック)が従業員のワーク・エンゲージメントと離職へ影響するのかの研究です。
今日の論文
Supervisory coaching and performance feedback as mediators of the relationships between leadership styles, work engagement, and turnover intention
上司のコーチングとパフォーマンスフィードバックがリーダーシップスタイル、仕事への取り組み、および離職意向との関係の仲介者としての役割
Human Resource Development International, 2019年
Michelle Chin Chin Lee, Mohd. Awang Idris & Michelle Tuckey
サマリ
リーダーシップスタイルが従業員の態度(仕事への取り組みと離職意向)に及ぼす影響を、上司のコーチングとパフォーマンスフィードバックというリーダーの行動を通じて比較
マレーシアの民間企業から500人の従業員と65の作業グループを対象に、マルチレベルアプローチを用いた
この研究では、変革型リーダーシップが上司のコーチングとパフォーマンスフィードバックと高いレベルで関連し、これらの仕事資源が仕事への取り組みを仲介することを発見した
また、ワーク・エンゲージメントが上司のコーチングとパフォーマンスフィードバックの両方の離職意向に対する関係を仲介することも示された
わかったこと:
変革型リーダーシップが従業員の態度にどのように影響するか
変革型リーダーシップが上司のコーチングとパフォーマンスフィードバックを通じて従業員の仕事への取り組みを高め、結果として離職意向を低減するプロセスを示しています。
変革型リーダーシップ (Transformational Leadership)
取引型リーダーシップ (Transactional Leadership)
上司のコーチング (Supervisory Coaching)
パフォーマンスフィードバック (Performance Feedback)
ワーク・エンゲージメント (Work Engagement)
離職意向 (Turnover Intention)
変革型リーダーシップは上司のコーチングとパフォーマンスフィードバックと正の関係があり、これらのリーダー行動がワーク・エンゲージメントを仲介することが確認されました。さらに、ワーク・エンゲージメントが上司のコーチングとパフォーマンスフィードバックから離職意向への関係を仲介することも明らかになりました。
論文から得た学びと活用場面
リーダーのコーチングとフィードバックがワーク・エンゲージメントを媒介して、離職意向に影響することがわかりました。
離職防止施策やエンゲージメント向上施策は、昨今の企業人事の中ではホットワードかと思います。人事施策のひとつとして、上司のコーチングやフィードバック技術の向上をご検討するのはいかがでしょうか?