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上司・同僚との関係と助け合い行動:論文レビュー

こんにちは、原田です。
今回は、助け合い行動(Helping Behavior)に関する論文です。

助け合い行動(Helping Behavior)は、職場における他者(同僚やリーダー)を支援するための積極的な行動とされています。具体的には、個々の従業員が日常業務において、他の従業員のタスクの達成を助けたり、問題解決をサポートする行動を指します。

今日の論文

Simultaneous Effect of the Workplace Exchange Relationship on Employees’ Helping Behavior
職場の交換関係が従業員の助け合い行動に及ぼす同時効果
Small Group Research, 2024年
Cheng-Chen Lin, Szu-Chi Lu, Hsiao-Ling Chen, Fong-Yi Lai

サマリ

  • リーダーとメンバー間の交換関係(LMX)と同僚間の交換関係(CWX)が従業員の助け合い行動に与える同時効果を検討

  • LMXとCWXの一致および不一致が助け合い行動に対して直線的および曲線的な関係を持つことを仮定

  • 結果、LMXとCWXの一致が助け合い行動に正の直線的関係を持つ一方で、不一致が曲線的な関係を持つことが示された

方法

  • 台湾の6つの病院の職場グループからデータを収集

  • 6か月間隔で2つの時間点でデータを収集し、共通の方法バリアンスを管理

  • 多項式回帰分析と応答曲面法(Response Surface Methodology; RSM)を使用して、LMXとCWXの一致および不一致が助け合い行動に及ぼす影響を検討

  • 応答曲面法は、複数の独立変数が従属変数(応答)に与える影響を調査・最適化するための統計的手法

わかったこと:
LMX(リーダーとメンバーの交換関係)とCWX(同僚間の交換関係)の同時効果が助け合い行動に及ぼす影響

  • X軸: LMXの水準(低い交換関係から高い交換関係までの範囲を示す)

  • Y軸: CWXの水準(低い交換関係から高い交換関係までの範囲を示す)

  • Z軸(縦軸): 助け合い行動のレベル(従業員の助け合い行動の度合いを示す)

  • LMXとCWXが一致(例えば、両方とも高いまたは低い)の場合、助け合い行動は正の直線的な関係を持つ(助け合い行動のレベルが高い)

  • LMXとCWXが不一致(例えば、一方が高く、他方が低い)の場合、助け合い行動は曲線的な関係を示し、特に中程度の交換関係では最低レベルの助け合い行動が見られる

論文から得た学びと活用場面

LMXとCWXの一致が高い従業員は、助け合い行動をより多く示す傾向がある一方で、両者が不一致の場合、特に中程度の関係を持つ従業員は、最低限の助け合い行動を示すことが示唆されました。
上司ー部下の関係、同僚との関係と分けて考えるのではなく、両方に注意を払うことでチーム内の助け合いを促進することができそうです!

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