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1980~2001年の管理職研修に関するレビュー論文:論文レビュー

こんにちは、原田です。
前回に引き続き、管理職研修のレビュー論文を見ていきます。
今回は1982~2001年のレビューです!

前回の~1980年代のレビューはこちら

今日の論文

The effectiveness of managerial leadership development programs: A meta‐analysis of studies from 1982 to 2001
経営者リーダーシップ開発プログラムの効果:1982年から2001年までの研究のメタ分析
Human Resource Development Quarterly, 2004
Doris B. Collins, Elwood F. Holton III

~1980年代のレビューはこちら

https://note.com/harami014/n/ndccdb6454574

サマリ

  • 1982年から2001年までの83件の形式的なトレーニング介入の研究をメタ分析手法を用いて統合

  • 個人、チーム、組織レベルでのパフォーマンス、知識、専門性の向上に対する介入の効果を効果サイズ(Effect Size)を用いて明らかにした

  • 知識の効果サイズは0.96から1.37、専門性の効果サイズは0.35から1.01、システムの効果サイズは平均0.39であった

  • 知識の成果を持つ介入は、BurkeとDay(1986)のメタ分析よりも効果的であり、最も効果的な介入は単一グループの事前事後テストデザインを使用していた

わかったこと:
リーダーシップ開発プログラムの効果

リーダーシップ開発プログラムの効果は大きく異なり、特に知識と専門性の成果に対する介入が効果的であることが示されています。

主要な結果

  • 知識の成果: 知識の成果を持つ介入は他の成果に比べて効果が高く、特に単一グループの事前事後テストデザインで顕著

  • 専門性の成果: 専門性の成果も比較的高い効果サイズを示し、単一グループ事前事後テストデザインで特に効果的

  • システムの成果: システムの成果に対する効果は比較的低く、対照群付きデザインでの効果サイズは0.39に留まる

注意:
BurkeとDay(1986)との違い

このメタ分析では、BurkeとDay(1986)との分析方法の違いがあり、単一的に比較することはできません。
以下は文中で示されていた研究方法の違いです。

  1. 効果サイズの単位:

    • BurkeとDay(1986):各研究内の複数の従属変数について効果サイズを計算

    • CollinsとHolton(2004):各研究の単一の結果測定を効果サイズの単位とした

  2. 研究デザインの統合:

    • BurkeとDay(1986):異なる研究デザインを一つのメタ分析に統合

    • CollinsとHolton(2004):異なる研究デザイン(POWC、PPWC、SGPP)ごとに別々のメタ分析を実施

  3. 標準誤差の扱い:

    • BurkeとDay(1986):標準誤差の推定に対する考慮が不十分であり、標準誤差推定の歪みが生じる可能性がある

    • CollinsとHolton(2004):HunterとSchmidt(1990)の方法を使用し、標準誤差推定の歪みを最小限に抑える

論文から得た学び

リーダーシップ開発プログラムの効果は多様であり、知識と専門性の成果が特に効果的であること、事前事後テストデザインの有効性が強調されていました。
BurkeとDay(1986)と比較すると微妙に異なる結果(全体の効果や、効果的なテーマ)が出たのが興味深かったです。

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