時間の経過に伴う心理的安全性の変化:論文レビュー
こんにちは、原田です。
今回は、時間の経過に伴う心理的安全性の変化に関する論文です。
心理的安全性とは:
チーム内で対人リスクを取ることが安全であるという共有された認識。エイミー・エドモンドソン(1999年)が提唱し、メンバーが他者の反応を恐れずに意見を述べたり、ミスを認めたりする環境を指す。心理的安全性が高いチームでは、学習や創造的思考、率直なコミュニケーションが促進される。
今日の論文
Examining How Psychological Safety Consensus Emerges Over Time
時間の経過とともに心理的安全性の合意がどのように生じるかの検討
Small Group Research, 2024
Shannon L. Marlow, Christina N. Lacerenza, Eduardo Salas
サマリ
心理的安全性の合意がチーム内でどのように形成されるかを時間の経過とともに検討
心理的安全性の合意と平均レベルの変化を分析し、初期の情報共有がこのプロセスを開始し、チームの心理的安全性が時間とともに減少することが示された
方法
マルチレベルグループプロセスフレームワークを使用し、26チームの143名の学生を対象に、約9ヶ月にわたって6回のデータ収集を行った
心理的安全性の変化と合意形成プロセスを統計的に分析
わかったこと①:
心理的安全性に関する時間経過に伴う各チーム内での認識
時間が経過するにつれ、心理的安全性の平均レベルが低下していく傾向
具体的には、初期段階での情報共有の度合いが、チーム内での心理的安全性の合意形成の速度に影響を与え、情報共有が多いチームほど早く合意に達することが示されている
わかったこと②:
情報共有が多いチームと少ないチームでの違い
初期の情報共有が多いチームでは、残差分散が早い段階で低下し、最終段階ではほとんど差がなくなる傾向
情報共有が多いほど、チーム内の合意形成がより早く進むことを示唆している
論文から得た学び
時間の経過とともに心理的安全性に関する合意に達することがわかりました。また、特に、初期の情報共有が合意形成の加速に寄与することが示されています。
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