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1967~2002年の目標設定理論のレビュー論文:論文レビュー

こんにちは、原田です。
今回は前回に引き続き目標に関するレビュー論文です。

目標設定理論とは目標が人々のパフォーマンスやモチベーションに与える影響を研究する理論です。


今日の論文

Building a Practically Useful Theory of Goal Setting and Task Motivation: A 35-Year Odyssey
目標設定とタスクモチベーションの実用的な理論の構築:35年のオデッセイ
American Psychologist, September 2002
Edwin A. Locke, Gary P. Latham

サマリ

  • 目標設定理論の35年間の実証研究を要約し、目標が機能するメカニズム、目標の効果を調節する要因、目標と満足度の関係、インセンティブの媒介変数としての目標の役割を説明

  • また、目標設定理論の外部妥当性と実用的な重要性についても述べ、新しい目標設定研究の方向性を議論(自己効力感の重要性の強調)

わかったこと:
目標設定とその影響に関する研究

目標設定理論が組織や個人のパフォーマンス向上において非常に有効であることが示唆されていました。

  • 目標難易度: 難しい目標ほど高いパフォーマンスを引き出す​​

  • 特定の目標: 特定の難しい目標は「最善を尽くす」よりも高いパフォーマンスをもたらす​​

  • 目標メカニズム: 目標は注意を集中させ、努力を増やし、持続させ、知識や戦略の利用を促す​​

  • 目標コミットメント: 高いコミットメントがあるときに、目標とパフォーマンスの関係は最も強くなる​​

  • フィードバック: 目標の効果を最大化するためには、フィードバックが必要である​​

  • タスクの複雑さ: タスクが複雑になるほど、目標設定の効果は減少するが、適切な戦略の利用が重要である​​

  • 自己効力感: 高い自己効力感を持つ人は、より高い目標を設定し、達成のための戦略を効果的に使用する​​

論文から得た学び

目標設定の仕方が、パフォーマンスに様々な影響を与えていることが分かりました。また今回の論文では、特に自己効力感に着目されていました。
自身の経験を思い返すと確かに自己効力感が高い時は目標がパフォーマンスに大きく影響していたように思いますし、逆は目標はやらされ感で掲げて終わっていたように思います…笑
目標を立てることを目的化するのではなく、自己効力感を後押しすることもセットでアプローチできるとよいかもしれません。

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