摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~「痩せたい」と「食べたい」のその先へ~812
現実を見なければいけない一方で、夢を追いかけたくなるほど、現実は切羽詰まっていた。
もう間もなく定時になろうとしていた。今日はこのまま、余計な仕事はせずに終わりそうだった。
それならそれで、時間になったらすぐに帰ろう。
机を上を片付けながら時間になるのを待った。
定時を少し過ぎたところで帰り支度を始めた。誰にも呼び止められないのを確認して、残っている人たちに挨拶をしながら消えるように会社を後にした。
駅に向かって歩いている間も、頭の中では株とか投資とかについて考えていた。
……もし本当に株で儲けられれば、少なくとも仕事のストレスからは解放される。
そしたら、もしかしたら摂食障害も多少よくなるかもしれない……そんなことが頭に浮かんでは消えていた。
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