「東京米スター」の存在意義…その5「米屋が語る『調理器具』の話」
さて…前回からの続き。「東京米スター」についてのお話しです。
都内には800軒近いお米屋さんがいますが、その中でお米屋さんならではの資格を有している米屋が数軒あります。
その資格とは、
お米マイスター と 東京米スター
の2つです。
一般消費者にとってこの違いはよく分からないと思いますが、端的に申し上げますと
東京米スターは、
都内消費者の皆さんにとって、より身近にお米についての『困った』を解決してくれるお米屋さん
と言えましょう。
そして具体的にその違いについて、数回に分けて紹介しています。
今回は5回目です。
タイトルにありますように今回は
「米屋が語る『調理器具』の話」
です。
お客様からよく「お勧めの炊飯器、教えて下さい」という質問を受けます。たいていの場合この「炊飯器」とは「電気炊飯器」を指しています。
しかし炊飯に使う器具は「電気」だけではありません。「直火」もあります。
さらに「電気」は「マイコン」「IH」「IH圧力」に分かれます。
見た目もいわゆる「電気炊飯器」の場合もあれば、土鍋や鉄鍋を「電気」でコントロールし、加熱するパターンもあります。
「直火」はガスコンロに直接かける場合とガスの火が出る箇所が炊飯器に内蔵されている場合(ガス釜)に分かれます。
ガスコンロに直接かける鍋には土鍋、ホーロー鍋、鉄鍋など多岐にわたりますし、機能面では圧力鍋もあります。
いかがでしょう?
改めて考えると私たちの周りには様々な炊飯器具があるのです。米屋もその選択肢の多さに戸惑うくらいです。
そう、これだけの多岐にわたる選択肢の中から皆さんがどういった炊飯器具にするかは、皆さんの考え次第です。
その考えとは、
①どこまでお米の美味しさにこだわるか、
②どこまでの手間を許容できるか(ライフスタイルとの兼ね合い)、
③予算、
のいずれかの切り口から絞っていく必要があるでしょう。
例えば「品種ごとの味を楽しみたいので、わたしは高級炊飯器の炊き分け機能付きのものを」「いまは仕事をリタイアして朝の時間に余裕があるので、直火炊飯用の土鍋を」といった具合です。
ここでお客様から頻繁に出る質問について説明しましょう。
① 10万円以上する炊飯器は、やはり美味しいの?
普通の炊飯器は500~600ワットそこそこであるのに対して高級炊飯器は1,200ワット以上あります。
また内釜の素材を色々と工夫して蓄熱性を高め、直火と比べると制限のあるなかでも効率よくお米の中までしっかりと熱を伝えているのです。その結果、甘みのあるふっくらごはんに仕上がるのです。
② 土鍋で炊くとなぜ美味しいの?
土鍋は1,200度の高熱を受け止めて、水を介して米粒に伝えます。
そして米粒のでんぷんが中までしっかりとα化されます。
またその火力の強さにより「焼く」のタイミングにおいてもしっかりと余分な水分を飛ばしますのでシャッキリ仕上がるのです。
米屋は誰もが「お勧めの炊飯器具」を語れます。そう、冒頭のような質問があっても米屋によって答えはバラバラなのです。
「断然土鍋がいい」「鉄鍋がいい」「電気炊飯機だとメーカーは○○だ」とそれこそ百花繚乱です。
但し、米屋がその選択肢を推すには必ず明確な理由があります。そしてその答えの裏には米屋としての経験に裏打ちされた理屈が存在するのです。
炊飯器具にお悩みの方は、是非近くの米屋に足を運んで相談してみてください。きっと「ここだけの米屋の炊飯理論」に触れることが出来ますよ。
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「楽しくなければお米ではない!」
有限会社 小池精米店
三代目 小池理雄(ただお)
五ツ星お米マイスター
東京米スター匠
6次産業化プランナー(中央サポートセンター登録)
社会保険労務士
東京都米穀小売商業組合所属
東京都ごはん区メンバー
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