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古米を美味しく食べる法

「お米屋さんであれば知っているだろう」ということで一般消費者から投げかけられる質問のうち、私が返答に困るのが

「古米を美味しく食べる方法を教えて下さい」

です。

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「古米」はいくら工夫をしても、それは「古米」です。例えば油を入れる、お酢を入れる、備長炭に入れる…。

様々な方法があります。

しかし、誤解を恐れずに言えばこれらは「ごまかしの手法」でしかないのです。

米屋として大事にしたいのは
「いかにお米本来のポテンシャルを引き出して、美味しく食べることが出来るか」
です。そのための方法論であればいくらでも、喜んで説明いたします。

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しかし冒頭の質問は…お答えしても良いのですが、何だか古米で食べることを「是」としてしまっているような、そんなある種の「後ろめたさ」があります。

「そもそも古米の扱いに困っている人に伝えるべきは、そうならないように、そうなる前に注意することを伝えるのが本筋ではないか?」と思ってしまいます。

古米の扱いに困る人で考えられるケースは「縁故米」です。縁故米とは地方の親戚など、知り合いの生産者から無償で送ってもらうお米のことです(本来の意味では有償の場合も含まれますが、ここではあえて無償としておきます)。

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縁故米は無償でもうらため、もらった側にはお米に対する敬意、と言いますか緊張感のようなものがありません。
しかも…玄米のまま送られてくることがほとんどです。玄米で送られてきたらまず精米しなければなりません。しかし近所にコイン精米機があればいいですが、無ければ「そもそもタダでもらったお米だから」ということでそのまま放置して、気付いたら古米になってしまった…というパターンです。

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これこそ米屋としては是非とも避けて頂きたい行為の一つです。

米屋として声を大にして申し上げたいのは、

お米は生鮮食品です。フレッシュなうちに食べきって下さい。

もうこれしかないのです。

皆さんに伝えたいのは「古米の食べ方」では無いのです。

しかし…実際にやはり困っている人は、いらっしゃいます。そして冒頭のようなご質問になるのですが…。

そこで少し見方を変えてみましょう。

そもそも白米で食べて美味しいのは、きちんとした温度で保管されていて、精米してあまり日にちが経っていない場合です。

その条件から外れた白米を、無理に白飯として食べる必要は、ありません。


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例えば野菜。古くなったらそれなりの調理をすると思います。
お米も同じです。古米で、それこそ香りも食感も気になるようでしたら、カレーやチャーハンなどにして食べればいいのです。

古くなった魚を、肉を、野菜を、どのように食べたらいいか、とは考えても「より美味しく食べることが出来る方法」は考えることは無いと思います。それは、そもそももう不可能だから、と感じているからです。そして古くなったなりの調理法を考えるのです。

お米も同じように考えて下さい。

僕ら米屋は、消費者の皆さんが美味しいお米に出会う方法について伝道する役割があります。もしくは古米の処理に困るような状況にならないようにするにはどうすればいいのか、についてお話しする義務があります。

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それでも古米になってしまったら…無理して白米で食べないでください。それなりの調理法で、無駄にせず、楽しんで下さい。

そして以後、そうならないように気を付けて下さい。

それが僕ら米屋の願いなのです。

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「楽しくなければお米ではない!」
有限会社 小池精米店
三代目 小池理雄(ただお)

五ツ星お米マイスター
東京米スター
6次産業化プランナー(中央サポートセンター登録)
社会保険労務士

東京都米穀小売商業組合所属
東京都ごはん区メンバー

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