古道具たちが買い叩かれるのを見て、抱いた感情を深掘りしてみた。
先日、全く予期しないところで、とても状態の良い古家具たちを引き取らせてもらいました。
その中に囲炉裏もあったのですが、その引き出しから煙管が出てきまして、思わず「おおぉぉ!!」と叫んでました(笑)。
煙管を見た時に、もう一つ思い出したことがありまして、今日はそのことについて話そうと思います。
⚪︎古物商が集まる古物市でのこと
もう随分前になりますが、初めて古物商の集まる「古物市」に行った時の事です。
※古物商の許可証を持つ人だけが参加できる市場。家具や絵画から、はたまた自動車や機械類など品目は多種に渡ります。各都道府県に数多ありまして、「◯◯県 古物市場」と検索すると、市場を開催している場所や主催者などの詳細が出てきます。
古物市に参加する人は本当に十人十色で、海外の方もいます。私が参加したところは、東アジア系の方が多く参加していました。特にその中でも1人、ある中国人の方が、掛け軸や古道具などを片っ端から競り落としていってました(その中に煙管もあって、この古物市のことを思い出しました)。
後に聞いた話ですが、その方の大元にまた別の中国人の方がいて、競り落としたものは全て中国へ輸出して販売するとのことでした。
なんとなくですが、「良い気分がしなかった」んです。
⚪︎なぜ良い気がしなかったのかを深掘りすると。。。
これが例え国籍が違う方でも、同じように「良い気分はしなかった」と思いますし、そもそも行ってみてわかりましたが「市場自体が良い気分はしなかった」んです(汗)。
この「どんどん買い叩いていく」雰囲気が好きではなく、「ぞんざいに扱われている」感じが嫌なんだなと思い至りました。
家具や道具たちにも、経過してきた時間があり、いろんな人の手を渡り歩いて、今に至っている。時代背景などのハイコンテクストを理解し、共感してくれる人の元へ、なるべく旅立ってほしい。購入されて大切に使ってくれたら、それは輸出でも良い。
結構ハードルが高いことを言っていますが、自分の気持ちはこうなんだなと感じました。
⚪︎『自分はどうか』を常に自問自答する。
言うのは簡単ですが「じゃあ自分は常にできているのか」というと、完全にはできてません。時代背景やハイコンテクストを理解するには、膨大な知識が必要です。そこは研鑽し続けるしかないし、終わりがない。
ただ「買ったものを大切に使い続ける」ことはできるし「なるべくそういう人たちの元へ、古家具たちを旅立たせる」ことはできます。
まとめ
古家具を引き取るとき。
手入れをするとき。
販売するとき。
「自分はどうか」を常に省みながら進んでいこうと、煙管をみてそんなことを思いました。