アイスクリームと、思い出。
夏になると、我が家の冷凍室の一角はアイスクリームスペースになる。
普段は、スーパーカップとか、PARMとか、チョコモナカジャンボを、
贅沢したいときは、ハーゲンダッツとかミスチアイスを買って、気分に合わせてアイス生活を楽しんでいた。
最近引っ越して、買い出しする場所がコンビニからスーパーに変わった。
大きいスーパーだから、アイスコーナーが棚、横幅3mくらいで種類が豊富。
人生で初めて出会うアイスもあった。
そんな中、ひとつのアイスに目が止まった。
「ヨーロピアンシュガーコーン」だった。
例えるなら、小学校のころ同じクラスだった友人を街中で見つけたみたいに。
実家で暮らしていた頃は、両親が共働きだったから、祖母がめんどうを見てくれていた。
「冷凍庫、見てごらん。」
アイスが入荷するといつも祖母はそう言って教えてくれて、
中を見ると、ヨーロピアンシュガーコーンが入っていた。
喜んで食べ始めると、祖母はすごく嬉しそうだった。
クーラーの効いた部屋で、窓にかかったすだれの間から夏の日差しが差し込んでいる。テレビでは夏の甲子園が流れ、僕はシュガーコーンをかじっている。
そんな、平和で平凡で幸福な思い出を、僕は毎晩食べている。
今年は、暑い夏になりそうだから、たくさんお世話になります。
ヨーロピアンシュガーコーン。