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夕方まで部屋にこもって読み切った『黄色い家』1月14日
ずっと読みたいと思っていた小説があった。
川上未映子さんの『黄色い家』だ。
発売開始当時本屋さんにずらりと並ぶ『黄色い家』は、青いバックに黄色い文字と絵が目を引いた。
読んだ人たちの感想も入ってきていた。
引っ越し前は荷物を増やしたくないこともあり、本は極力買わないようにしていた。東京に来てからもなかなか本屋さんに行くこともできず、金銭的に余裕もなかったので、本は後回しになっていた。
そして本の分厚さに、読む時間の余裕も必要だと思っていた。
昨日寄った本屋さんでも目に入ってきた『黄色い家』。帯には「一気読みしてもらいたい」と書かれているし、大好きな凪良ゆう先生の感想もあった。
思わず手に取っていた。
今日はどこにも行かないで読もうと決め(実は昨夜少し読み始めていた)、小説の中の世界に入り、主人公の目線でその世界を見て体験してきた。
金と犯罪、貧困、未成年と大人、今の日本でこの小説に書かれていることは実際にあるのではないだろうかと容易に想像できる。
生きづらい世界、生きていかなきゃいけない世界、お金がないと生きられない世界、生きるためにする犯罪、実際の家族より家族な他人……
わたしも両親が離婚してアパートに母と弟と引っ越したばかりのころ、お米が買えない時があってじゃがいもをよく食べていたことや、バイト代やお年玉を貯めていた口座から勝手にお金を使われていたことなどを思い出した。
お金がないと心を病む。
わたしはビビりなので犯罪に手を染めることはなかったけれど、この物語の主人公のような環境だったなら、追い詰められて悪いほうへ行ってしまったかもしれない。
わたしは今でもビールのおいしさが分からないし、両親のようにお酒に強くなくあまり飲まなかったので水商売は向いていなかっただろう。
お酒が普通に飲めていたら、夜働いていたかもしれない。
そんなことを考えながら、この物語に出てくる人たちの人生を憂いながら、ずしんと重い気持ちになりながら読み切った。
明日以降に持ち越したくなかった。止まらなかった。
ノンストップ・ノワール(暗黒)小説、おすすめです。
比喩表現、絵が浮かぶ(本の世界で動ける)文章、さすがでした。
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![小笠原ゆき](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/119602417/profile_c3a1213f55c606d6d67aa77013a10585.jpg?width=600&crop=1:1,smart)