子どもを「いい脳」に育てよう!⑥脳育てポイント あやすのはほどほどに
昔は「抱き癖」という言葉がありました。
脳科学では、泣いているときに、
そばにいる大人がどんどん抱っこしてあげるのはOK。
でも、泣きやませようとして大げさにあやすのは、
よくないのだそうです。
泣くのは意思伝達の手段であり、
心肺機能を高める機能でもあります。
泣くという行為
泣くという行為は、脳にとっては
なんとも気持ちいいストレス解消なんです。
涙にはロイシン-エンケファリンという、
ストレスによって生じる神経反応を
緩和する脳内モルヒネの一種が含まれています。
涙を流すと、ストレスを緩和する
脳内物質が分泌されます。
泣くことで、
子どもはとりあえず精神的な
パニックから立ち直ることができるのです
泣きたくて泣いている赤ちゃんを、
泣きやまそうと思って大げさにあやすのは、
大きなお世話で赤ちゃんに言わせれば、
おせっかいなことなんです。
大人がなんだかうるさいので、
いったんは泣きやむけれど、
赤ちゃんのストレス発散は中途半端に終わってしまうのです。
おむつもきれい、おなかもすいていない、
暑くも苦しくもないのに、
理由もわからず泣きだしたときは、
できればひとしきり泣かしてあげて。
わかってくれる親、見守ってくれる親だなぁ
という信頼を赤ちゃんの潜在能力に刷り込みます。
抱き癖の指摘
抱き癖の指摘は、
1960年代後半にアメリカから始まりました。
小さい時から自立心を育てる考え方で、
ウーマン・リブと呼ばれた、
女性の解放運動とも関係しています。
女性の社会進出を助けるため、
子供の自立心が必要とされたのです。
ほどなく、我国にも伝わりました。
ところが、抱かれずに育った赤ちゃんが、
10歳前後となったアメリカで、
困ったことが起こったのです。
強い不安感で、人間関係が困難な子供。
周囲に無関心な子供が増えてしまいました。
赤ちゃんはハグを求めている
赤ちゃんは生まれてからも、
布団の中に寝転がらされているより、
ママの腕に抱かれたがります。
ママの体温による温もりと、
腕による囲みにより、
胎内にいる時の環境が疑似的に体験出来るからです。
人間は、安心感や信頼感が得られると、
「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。
これは「幸せホルモン」とも呼ばれる物質で、
特に「自分は愛されている」と実感した時、
オキシトシンは神経細胞で作られ、
脳組織から血液を通して全身に行き渡るのです。
たくさん抱っこされた子
たくさん抱っこされた子は、
体内にオキシトシンが多いという調査結果があります。
カリフォルニア大学の調査によると、
オキシトシンの少ない女性は、多い女性に比べて
結婚率が低く、さらに離婚率は約2倍高い
という結果が報告されています。
最近の育児の考え方は、
抱っこされたり、
ママから色々な世話を受けて、
身体的にも心理的にも欲求を満たされた赤ちゃんは、
「わがままになる」ということはなく、
逆に十分なスキンシップによって得た、
安心感や信頼感が、
自立して世の中を探求して行くための、
基盤になると考えられています。
赤ちゃんが将来に渡って人を信頼し、
自分の要求と他人への依存のバランスを、
うまく取ることが出来るのです。
脳の中身は直接見ることはできません。
だからこそ、仕組みを理解することにより、
幼少期の脳を将来の為にシッカリと作ってあげるのは親の仕事です。
親は、それを理解して、
子どもの可能性をうまく引き出してあげて
あげれば脳番地の成長バランスも整います。
しかし、これを理解しているのと
していないのでは雲泥の差。
だから親やはり勉強しないといけないのです。