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初心者キャンパーがOgawaのアポロンを買ったらヤバかった話。
私はキャンプを始めたばかりの頃、上司から譲ってもらったワンルームテントを愛用していた。
しかし、年がら年中キャンプを楽しむためには、ツールームテントは欠かせない。
ツールームテントで暑い夏は日差しから身を守り、寒い冬はストーブで暖を取ってこそ、キャンプは快適で楽しいものになるからだ。
近年はキャンプブームで、いろんなメーカーから多種多様なツールームテントが売り出されている。
いざ買うとなると、選択肢が多すぎて私は困り果てた。
こんな時は、キャンプの達人である我が師匠ケイさんに相談だ!
ケイさんは年間50泊を10年以上続ける超ベテランキャンパー。どんな道具についても詳しく教えてくれる頼れる師匠だ。
私とキャンプの師匠であるケイさんとの出会いはこちらの記事になります。
https://note.com/happyseed888/n/n00ee766b2431
私が絶対に後悔しないツールームテントが欲しいというと、ケイさんは自信をもってこう答えた。
「それはOgawaのアポロンだね。」
引用:Ogawa公式HPより
師匠ケイさん曰く、Ogawaは最も日本の四季を考えてテントを作っているキャンプメーカーだという。
そんなOgawaがファミリーキャンプ用に販売しているツールームテントが「アポロン」なのだ。
引用:Ogawa公式HPより
何が凄いって、まずは圧倒的に広くて快適なテントだということ。
大人5人が楽々眠れる寝室。
そして広いリビングではゆったりと食事ができ、天井も大人の男の人でも頭がつくことはないほど高い。
これから子供達が大きくなることを考えると、広さは絶対に必要だ。
引用:Ogawa公式HPより
そして、ジメジメした日本の夏でも対応できるよう、通気性抜群のオールメッシュ構造が施されている。これはなかなか他のメーカーにはない魅力的な構造だ。
同時にスカートと呼ばれる「地面とテントの間に隙間ができないための構造」も施されている。
このスカートは夏は虫の侵入を防ぎ、冬は冷気の侵入を防いでくれる。どのメーカーのテントにも付いているわけではなく、オールシーズンでキャンプをするなら絶対に押さえるべきポイントだ。
我が家は狭いマンション暮らしのため、何個もテントは買えない。
ここは一生物の完全無欠のツールームテントを買おうじゃないか!!
私と夫は意気込んで、師匠・ケイさん一押しのOgawaの「アポロン」を購入した。
実物を見ることも、試しに張ることもないままに・・・。
そして記念すべき我が家のOgawa「アポロン」初張りは、師匠ケイさんと夫の手によって行われた。
もちろん2人とも事前にYoutubeで「アポロン」の張り方は予習済み。
大きなテントではあるが、構造はいたってシンプル。動画で見る限りは設営は簡単そうだ。
しかし開始早々、師匠ケイさんの歓喜とも悲鳴ともつかない声が幾度となく聞こえてくる。
「ヤバか〜!!これ、ヤバか〜!!」
キャンプの達人ともなると、好きなテントを張るのにこれほどまでテンションが上がるのか、と遠くから観察していた私。
しかし、これはキャンプの達人ケイさんが嬉しくて「ヤバい」を連呼していたわけでなかったのだ。
夫とケイさんは真っ赤な顔をして、腕をブルブルと震わせながらテントと取っ組み合いの試合をしているかのように戦っている・・・。
えっ!?動画とえらく様子が違くないか?
30分ほどアポロンと格闘した夫とケイさんは、満面の笑みで完成を喜んでいた。
そしてケイさんが言った一言に私は恐れおののいた。
「アポロンは立ったら最高やね!」
えっ??ちょっと待って!「立ったら」とは、どういう意味ですか!?
私がそのケイさん言った言葉の意味を理解したのは、次の週のキャンプだった。
その日は師匠ケイさんはおらず、私と夫の2人で初めてアポロンを張ることになった。
まず、驚いたのはテントそのものの重さ。
なんと23キロもある!
この重さは小学1年生の息子の体重と同じ。女の私が一人でかつげる代物ではない。
夫はぎっくり腰にならないよう、慎重にアポロンを抱えている。
いざアポロンを設営を始めてみて実感したのは、広い空間を支える柱であるポールを固定するのに、ものすごくコツがいるということ。
夫が渾身の力で顔を真っ赤にしながらポールをしならせるも、なかなか固定できず大苦戦。
腕力のない女の私など何の役にも立たず、晩御飯までにテントが張れるかをただ心配することしかできない。
夫はまさに全集中でポールをしならせ、なんとか固定に成功。その後も2人で四苦八苦しながら完成までに要した時間は1時間をゆうに超えていた。
ようやくテントを張り終えた夫が漏らした一言。
「いや〜!もう少しでアポロンが嫌いになるところだった。」
まずい!一生物のつもりで買ったアポロンがたった2回でお蔵入りになるかもしれない。
私のその予想は、当たらずとも遠からずだった。
その後しばらく、夫は私と2人でアポロンを張ることをやんわりと拒否するようになった。
せっかく買ったのに、これじゃ勿体無い!
私はこの非常事態を師匠ケイさんに正直に相談した。
すると返ってきた答えは、とてもポジティブなものだった。
「大丈夫よ!新品のテントはね、なかなかポールがしならんとよ。何回も張ってるうちに、ポールに型が付いてきて格段に張りやすくなるもんだよ。テントの生地も今は伸びてないけど、何回も使ってるうちにいい感じに馴染んでくるもんよ。とにかく張ること!練習あるのみばい!!」
その言葉に後押しされ、ほどなくして夫と私はアポロンをもう一度設営した。
心配してくれた師匠ケイさん、さらにはケイさんの友人のベテランキャンパー2名も手伝ってくれた。
するとあれよあれよとアポロンは立ち上がり、「こんなにも簡単だったけ?」と思うほどだった。
Ogawaのアポロンは、間違いなく素晴らしいツールームテントだ。
このテントはとにかく立ってしまえば快適極まりない!
回数をこなせば男の人なら1人でも設営が可能だと確信した。
説得力がないかもしれないが、私はOgawaのアポロンを買って後悔していない。
むしろ、「絶対にキャンプを続けてやる!」という、メラメラとした情熱が腹の底から湧いてきた。(なんか違う?)
今年はいかにアポロンの達人になるかをテーマに、夏から冬までキャンプを楽しむと固く誓ったのだった。