求められたら答えたい

おすすめのワインて何ですか?という問いが苦手でした。
いや。実際は今でも苦手です。
本当は苦手ではいけないのですが、苦手意識を持つことにもそうなってしまう経緯がありまして。
好みの話を進めるには、相手を知る必要がある。
相手のことを知らないと適切なアイデアを共有できないからです。
相手のことを知らないとすぐにアイデアを共有できないから、まずはどのような嗜好性があるのか確認したいところ。
でも大体の場合は、そこまで長い会話が求められていないことが多い。問いかけた方は一言で「これ!」という答えが欲しいようです。
でも私はエスパーではないので、事前に知り得た情報がない状況だと一言で求められている「これ!」を提案できない。
だから苦手。
最近はたと気がついたわけですが、今まで職業としてソムリエをしていた際には現場にヒントが転がっていたから自分の引き出しからアイデアを導き出せていたのです。そういう仕事だったから。
その時の雰囲気と食事内容。それ以外で情報が欲しければ差し支えない範囲で会話させていただく。
もしその方が顔馴染みの方だったら、蓄積しているキーワードを手繰り寄せる。
もちろん他にもパターンはあるけれど、積み上げていった関係性があることによって私の能力がその場で生きてくる。

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なぜ急にこの話題を持ち出したかというと、プライベートのことについてはよく知らない間柄の方からこの質問をされた時答えに困ったことがあった、ということを思い出して自戒の念が生まれたから。詳しく状況を解説するのは割愛するけれど、相手のためを思えばもう少し突っ込んだ話をして相手を理解する作業をしてもよかったなと思ったのです。やっぱり私はエスパーではないので、何も聞かずしてぴったりの答えを導き出すことはできない。
ただこの体験が、自分がやらねばならぬことへの気づきに繋がりました。ワインのことを語るには相手のことをもっと知ることが大切。では相手のことを知るために私に何ができるか。
それはもう少し煮詰めてから形にしていこうと思います。

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