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【聖ニコラスの日】

聖ニコラス(St. Nicholas)は、4世紀ごろに現在のトルコのミュラ(Myra)の司教を務めた実在の人物です。

ミュラ(Myra)は、現在のトルコ南部に位置している古代の都市です。具体的には、地中海沿岸のデムレ(Demre)という町にあたります。

この地域は、古代にはリュキア(Lycia)と呼ばれるギリシャ文化圏の一部で、ミュラはその重要な都市の一つでした。聖ニコラスは、4世紀ごろこのミュラの司教として活躍し、貧しい人々や子どもたちを助ける活動を行っていたことで知られています。

現在デムレには、聖ニコラスにちなんだ聖ニコラス教会が残っています。この教会は、聖ニコラスが司教を務めた場所とされています。多くの巡礼者や観光客が訪れる人気のスポットで、聖ニコラスが埋葬された場所とも言われています(遺骨の一部は後にイタリアのバーリに移されたとされています)。

機会があれば、この地を訪れると、聖ニコラスの歴史と当時の地中海文化をより深く感じられるでしょう。

慈善活動や奇跡で知られ、特に子どもや船乗りの守護聖人として崇敬されています。聖ニコラスのエピソードとしてよく知られているのは、貧しい家族の娘たちに持参金を贈るために、こっそり窓から金貨を投げ入れたという話です。この伝説が元となり、現在のサンタクロース像へとつながっています。

【聖ニコラスデー(12月6日)】は、聖ニコラスの命日とされており、ヨーロッパ各地で特に重要な祝日です。この日には、子どもたちが靴や靴下を窓辺に置き、聖ニコラスがそこにプレゼントを入れてくれるのを待つ習慣があります。オランダやドイツでは特に盛大に祝われ、地域によっては「聖ニコラスが悪い子を罰する存在(クランプスなど)」を連れてくる伝承もあります。

[ユーリスミーと聖ニコラス]

私がイギリスで昔通っていた、ユーリスミーのカレッジで今日を祝っていたのも興味深い思い出です。
ルドルフ・シュタイナーの思想において、季節の祝祭やキリスト教的な行事は人間と自然、宇宙との深い結びつきを表現する重要な機会とされていたと思われます。聖ニコラスデーを通じて、与えること、他者への思いやり、そして祝祭を共有する喜びを象徴的に表現していたのかもしれません。
外部からわざわざ牧師さんがいらして聖ニコラスにまつわるお話をされるなんて、とても文化的で心温まるイベントだったと思う。
大人になってからでも、こういった行事を祝うことで、童心に返りつつ、伝統の深い意味を味わうことができるのは貴重な体験だと思います。

学長先生が聖ニコラスに扮してプレゼントを配る姿も微笑ましくて大好きだった。
我々は大人だったけれど皆んな楽しく受け取っていました。それはまるで子どものような気持ちに返っていました。
そして、学内のキッチンカフェのオーナーが心を込めて用意してくださったランチも素晴らしかった。
芽キャベツ入りのベジスープやポテトグラタンは、寒い季節にぴったりの心温まるお料理でした。
ベジタリアンに配慮されつつも満足感のあるメニューでした。

食事の後にアップルケーキと紅茶、もしくはダッチコーヒーを楽しみながら語り合う時間は、本当に幸せなひとときでした。
特に学長先生がオランダの方だったということで、ダッチコーヒーを囲む光景には特別な趣を感じていました。

こういった日常の中に祝祭のエッセンスを取り入れることで、忙しい日々でも心が豊かになるように思います。
聖ニコラスデーを通じて、与えることの喜びや感謝の気持ちが皆さんの間で共有されていたのかもしれません。

ロンドンでのこうした経験が、今の私をつくっている。そして今でも心に温かい灯火のように残っているのです。

私はひょんなことから身体表現芸術の5年制のカレッジに行くことにしたのだが、その訳はまた別な機会に書こうと思います。

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