おはなし:のんびりほっこりホットケーキ
朝日がほんのりと部屋に差し込む頃
シェアハウス『由流里』のキッチンから甘い香りが漂ってきました。
コアラのココが、お休みの朝を楽しもうと特製のホットケーキを焼いているのです。
ふわふわと膨らんだ生地に、はちみつのような甘い香りが加わり、キッチンはまるでお菓子の国のよう。
「いい匂い…」と、最初に現れたのは、鹿のシカリン大きな目をこすりながら、キッチンに近づいてきました。
「おはよう、シカリン ちょうど焼き上がったところだよ」ココは微笑みながら、出来立てのホットケーキを皿にのせました。
ホットケーキはふかふかで、見るからに美味しそう。
次にキッチンにやって来たのは、うさぎのリリィ。
リリィはまだ眠くて長い耳は垂れたまんまだけれど
目だけは輝かせながら、鼻をひくひくさせています。
そして一言
「わぁ、ココ!ホットケーキなんて贅沢な朝食!」
「今日はお休みでみんなが集まる日だからね。特別な日にしようと思ってさ」
ココはにっこり笑い、テーブルにたくさんのフルーツや木の実とメープルシロップを並べ始めました。
リリィとシカリンはとても嬉しそう。
そして、ステキ!ステキ!と言いながら踊るように席につきました。
ココがホットケーキを次々と焼き、ふわりとお皿に乗せるたび、二人の目がきらきらと輝きました。
テーブルには、ホットケーキの山と、色とりどりのフルーツが並んで、まるでおとぎ話の一場面のようです。
「いただきまーす!」
と声を合わせて三人が言うと、それぞれが、ふわふわのホットケーキにナイフを入れました。
メープルシロップがじゅわっと染み込み、口に入れるとやわらかく溶けて、いい香りは鼻から頭に突き抜けて程よい甘さが口いっぱいに広がります。
「やっぱりお休みの日は、こうやってみんなでのんびり過ごすのが最高だね」
リリィが微笑みながら言いました。
「うん、本当に」
シカリンも頷きながら、また一口ホットケーキを愛おしそうに食べました。
キッチンの窓からは、明るい朝の光が差し込み、三人の笑顔はキラキラ輝いています。
そして、皆んなでのんびりと幸せな時間を過ごしました。
ホットケーキの甘い香りが漂うこの朝は、三人にとって小さな宝物のようなひとときです。
おいしいふかふかのホットケーキを仲良く三人でほおばる。
ココがニコニコしながらポロッと呟きます。
「おいしいね!生きてて良かった」
シカリンとリリィは顔を見合わせてにっこりしながらうんうん!とうなづきました。ホットケーキいっぱいの口ではしゃべることができませんでした。
あっ!もしかして、いいえ、もしかしないでも
「幸せ」ってこうゆうことかもしれません。
お休みの日の平和なひとときのおはなしでした。
ーおやすみの日の朝にー
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