「スコットランドの不思議な旅」ーその⑨やっとついた!
私は赤いい防水バッグをたすき掛けにかけ、クルーニヒルカレッジの表示を頼りに雪道を歩き始めました。一面の雪景色。幸い、乾いた雪のため足元は滑りにくく、キシキシと心地よい音が響きます。
辺りは一面真っ白で歩道は雪で覆われています。幸いなことに雪に水分が少ないので歩くたびにキシキシと音を立ててツルツルとはすべらなそうです。
歩く事4分ほどで三叉路。
表示でいくとこのまままっすぐいけばいいとは思いますが途中にひとつも表示がありません。
....私は少々不安になってしまいました。
少しもと返って表示がないかまた捜しました。ここで思い込みで動くのは大変危険です。荷物は手で運ぶにはギリギリOKではありますが軽いというわけでもありませんし、雪で足元が良いとはいえず道を間違えば大変な時間のロスになります。
私はキョロキョロしながら道を聞けそうな人を探しました。地元の人のような人はなかなか出てきません。というよりも人が全然見たりません。時折車が通るだけです。・・・気分はトホホ・・・となりこのまま、こちらと思う方向を歩いていけばいいのか・・・と思いあぐねていましたら横道から50代後半から60代前半の白人の女性が歩いてきました。防寒の普段着をしっかり身につけているのでおそらくこの辺の住人に違いありません。もしかするとフィンドホーンコミュニティの関係者かもしれません。こういう時にはすぐ脳天気になる私は何の確証もないのにそう信じて疑いませんでした。
私は息を切らせながらその女性に近づいていきました。「あのう、すいません。クルーニヒルという場所はどのように行けば良いでしょう?ご存知なら教えてください」するとその女性は
『まあ、この天候の中来たの?大変だったわね!クルーニヒルカレッジに行くのね?』
と驚きながらも、親切に道を教えてくれました。
『まだけっこうあるけれどこの道を道なりに歩いていくとだんだん傾斜になってくるのそして左側にゴルフ場の表示が出てくるのでその方向に行けばクルーニヒルカレッジがあるわ。グッドラック!気を付けていってね』
とのことでした。
人なつこそうな、おそらく何かしらでフィンドホーンコミュニティに関わっているかのような人のようでした。
私はお礼を行って教えてもらった道をどんどん歩いて行きました。
永遠にこの道が続くのではないかという不安にかられる中、ついにゴルフ場の表示を発見!『良かった!』思わず声が出てしまいました。
それからは、私はアニメの「となりのトトロ」の曲を歌いながらこんな時周りに人がいないのって気にせずに歌えていいな、と思いながらかなりの寒さの中歩き回っているために暑くなって蒸気機関車のように湯気を立てながら一人で行進していきました。
それから15分もたった頃でしょうかゴルフ場の表示が出てきました。そしてクルーニヒルカレッジの表示も見つかりました。良かったア!!これで30分遅れくらいで済みます。
私は目的地が間近くになって急に元気になり段々と傾斜になって行く道を元気良く歩いていきました。そして、とうとうおそらくクルーニヒルカレッジらしき建物を発見しました。雪の中大きなホテルのような建物がありました。(あたり前ですもと、ホテルなんですから)とはいっても何だか全体的に大きな家といったカンジで何だかアットホームな温かみのある建物です。
私は入り口を見つけてグルグル回りました。玄関らしきところにドアを見つけましたがドアがしまっています。おー、なんてこと時間通りではないので受付の人がいなくなってしまったのかも・・・少々不安がよぎります。
私は別な出入り口を捜してウロウロしましたが駐車場のようなところに出ただけで見つかりませんでした。ウロウロしていると東洋人の女性を見かけました。私を見るとその人は「何かお役にたてることはありますか?」と聞いてくれました。私はクルーニヒルカレッジはこちらですか?」と尋ねるとそうですよ。そのドアからお入りくださいとのことでした。
再び最初に行ったドアのところに立ってドアの取ってをガチャガチャ回していると今度は中から女の人が出てきました。私はあいさつをすると「体験週間コース」を受けにきたことを告げました。するとその人が受付の人だったらしく「ああ、そうなの。ようこそクルーニヒルカレッジへ、あなたの部屋番号を調べてあげるわね35番よ」もう上の「ビーチツリールーム」というところでセッションが始まっているから上にいくといいわ。
だけどその前にティーでも如何?」とのことでした。私はお茶の申し出を断りお礼を言ってセッションをしている部屋に行きました。部屋のドアの前に行くと中から声が聞こえてきます。
「今のところまでで質問はないかしら?なければ次にいきます。それではこのコースはセラピーではありません。もし、身体的ににも肉体的にも何からあった場合は病院ではないのでお手伝いはしますが各個人で自分の健康状態には責任を持つこと・・」そんな声が中から聞こえてきました。
私はドアのノックして中に入ろうと思いましたがドアのノブに「セッション進行中!」の札がかけられていました。うーん、どうしよう。
私は発達障害の中でもいろいろと複合的に症状を併せ持っているのですが私の中のアスペルガーの人たち、自閉症圏ないにあるといわれているサインや文字による囚われ状態があり多少克服はしてあるものの疲れていたりショックを受けていたりするともうダメです。
「セッション進行中!」の札イコールセッション中だからじゃましないで!ということです。こういう札が有る場合には中に入ることは「禁止!」されているので良くないことです。私は私は自分の過去のデータに照らし合わせに入りました。カウンセリング研修のワークショップの場合にもセッションが始まっていたり、人が話をしているところに入るときにはどうすればいいのだっけ?私は荷物をドアのワキのじゃまにならにところに置いて考えました。
結局、私はドアの前に立って意識を集中しながら中からもれ聞こえてくる声を聞き話しが途切れる、もしくは話題が変わることを見計って入るタイミングを待つことにしました。中からは今度は人が質問する声が聞こえます。けっこうこのコースの人が話した内容に関して皆さん細かくていねいに質問をしているようです。
そんなこんなで約30分ほど私はそのドアの前に立って中の様子を伺いして聞ける話は一生懸命に聞いていました。そして、いよいよ話が途切れました。次の話題に行く前の質疑応答も一段落したようです。これがチャーンス!!と私は意気込んでドアをノックし「エクスキュズミー!」と言って中に入って行きました。
私は皆の視線を感じるのに戸惑いながら「遅れてすいません」と名乗りました。
するとフォカライザーと呼ばれる2人の係りのうちの女性が「わあ、良くきましたね。どうやってきたの?あとの2人は飛行機が飛ばなくてこれないと連絡が入ったのよ、まあ、とりあえず座って名前とどこから来たかだけの紹介をしてください」
とのこと。
私はロンドンに住んでいる日本人でピロンということを皆に伝えて開いているフォーカライザーの持ってきてくれたイスに座りました。
すると今度は私以外のそこにいるメンバーが国籍と名前の自己紹介をしてくれました。ベルギー、ドイツ、イギリス、スコットランド、ブラジル、イタリア、日本そして中には国籍はイギリスだけどエジプトの血も4分の1入っている女性もいて多種多様な人々がそこにはいました。日本人も私以外に2人います。
ファーストセッションが終わったら夜は自由行動でした。
今後についtら、丁寧な説明されたあと今度はこれから始まる1週間についてのアチューメントをしました。その場にいたフォカライザー2人とコースを受けるメンバーの11人で輪になって手を繋いで目を閉じ、フォーカライザーの60代くらいのアメリカ人の男性がこれから始まるコースについての祈りの言葉をあげお互いの握り合った手を更にギュっと強く握ってそのセッションは終わりました。
その後、人のよさそうな体格の良い女性が今夜の自由時間に来るまでフォレスの町のスーパーマーケットまで買い物に行きますが誰か買ってきて欲しい物があったら遠慮なくお菓子でもハブラシでも何でも言ってくださいね」とアナウンスしました。
私は買ってきてもらいたいものはないけど随分と親切な人だなあ、と思ってその美しい女性の横顔を眺めました。
セッションが終わるとフォーカライザーのCさんが寄ってきました。聞きそびれたことはおいおい話していくし、他の人にも聞けばいいし、このペーパーホルダーの中にもいろいろ書いているので心配無用とのこと。
私は入るタイミングを計っていたので実は30分前についていて「このコースはセラピーではないということや館内は禁煙であることの説明あたりからけっこう聞いていたことを告げると「まあ」と驚いてから隣にいあたもう一人のフォーカライザーのSさんに「ピロンは30分間ドアの前にいたのですって!」と言いました。