小説「灰色ポイズン」森野カナタ15歳の呟き
本当は守られてもいいはずなのに、どうして私はいつも守る側にまわっちゃうんだろう
私はいつも、自分を守って欲しいように他人を守って、いざ自分を守る時には二人分の役割をやらなきゃいけない
それで、人一倍のエネルギーを使っちゃう
エネルギーをたくさん使うから、その分を補うためにたくさんエネルギーを取り入れる
自分の分だけじゃなくて、自分じゃない誰かの分も含めて
そうしないと、体の真ん中にあるぽっかり空いた穴みたいなところがやたらスースーして、そのスースーがやがてソワソワになって、最後にはザワザワして身動きが取れなくなっちやうんだ
だから、不安になるとね、今日も私は体の真ん中にあるまあるい穴に食べ物を詰め込むの