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「スキになる」は技術である

多くの人は「スキになるのは、すべて本能的である」という誤解と、「キライという感情も正しいのだから、そのままで良い」という考えを持っています。しかし、実際には「スキになる力」はトレーニング次第で身につけることができます。


実際の経験と教育の現場から

私はコンサルタントとして仕事をしていますので、様々な業界からお仕事をいただきます。なかには最初はまったくもって興味を持てないような業界の話もあります。でも、「スキになる力」を持って取り組むと、厄介な経理業務の世界も、土木建築のマニアックな工法についても、興味を持てるようになります。

そして、これによって、多くの企業と仕事も出来ていますし、信頼関係も作れています。この「スキになる力」がなければ、私のコンサルティングの仕事は成立していないと言っても過言ではありません。

毎度のことながら、自己紹介しておきます。私はマーケティングコンサルタントとして、主に大手企業を対象に組織運営や事業開発の観点も交えながら、広告だけではないマーケティングの導入を実行しています。そんなことから経営や組織論に関して、実際の経験から様々な洞察があり、そこからnoteを書いています。

スキになる力の重要性

私は普段、高校生にアントレプレナーシップ教育の講座を持ったりしています。その中でも感じた一つの問題点として、「スキになる力」が弱い人が増えていることです。恋愛をしろとか、愛を叫べということではなく、人でも物でも、何かをスキになる力が弱いケースが散見されます。

その結果として、学問や仕事、それ以外のことに対しての興味が薄くなり、自ら何か面白いものを探しに行く力や、自分なりの面白さの発見といった力が弱いため、大学の志望理由やキャリアプランと言われても、それよりも家でゲームしたいとなってしまうのです。

なぜゲームがいいかといえば、ゲームはわかりやすく好きなものだからです。でも、それ以外にもスキが増えれば、人生の可能性は広がります。私はマーケティングが大好きですが、ゲームも大好きですし、経営も大好きです。

なので、人生の可能性はかなり広いです。そして、人が嫌いでも、自分が好きなものが多ければ、それが特に武器となり、人生に役立つわけです。

なぜスキになることが重要か?

スキになる力は、興味を持つ力と同義です。興味を持つ力が強い人は、そのモノやコトに対する知識量が増え、人間関係も良好になります。しかし、多くの人が持つ2つの誤解があります。「スキになるのは、すべて本能的である」という誤解と、「キライという感情も正しいのだから、そのままで良い」という考えです。

でももし、スキになることが技術としてカバーできるようであれば、それを身に着けたいと思いませんか?実はこれは何かモノに対してだけではなく、たとえば嫌いな上司とか、うまくいかない親子関係とか、そういうところでも役に立つ場合があります(なんでも万能とは言いませんが、役に立つことはあります)。

なので、この文章では、どうすれば「スキになる力」をあげられるか?というところで具体的なワークショップや日常の訓練法を含めて、紹介していきます。

感性のスキル化:スキとキライに気づくためのアンテナづくり

私の知り合いで、日本を代表する会員制のバーのオーナーは、新人が入ると、1か月間口にするすべての物の味を感じて、それを評価するというトレーニングをするように促します。

それにより、味覚がより鋭敏になり、普段は気づかなかった様々な味わいが見えてくるということです。これと同じように、毎日出会う人、コンビニの店員から会社の上司、家族まですべての人をスキになるために、その人の魅力を見続けると、スキになる感性が磨かれて、一気にできるようになります。

スキスキ60ワークショップ:具体的なトレーニング方法

ここで紹介したいのが、簡単なワークショップでこれをやることであなたの「スキになる力」を実感できるとともに、改善の方向性が一気に見えてくる方法になります。

スキ60の概要

スキスキ60はペアで行うワークショップです。AさんとBさんがペアを組み、お互いに興味のないテーマを使ってお互いの「スキになる力」を鍛えます。

スキ60のステップ

  1. お題の選定:

    • 講師が、参加者にとって興味のないお題を選びます。例えば、若い人には「演歌」、中年以降の人には「BTS」や「TikTok」など。

  2. プレゼンテーション:

    • Aさんは60秒間、Bさんに向かってお題の魅力を全身全霊で伝えます。BさんはAさんのプレゼンでどれだけ自分が興味を持てたか点数をつけます。

  3. 質問タイム:

    • BさんはAさんに対して、自分が興味を持つために知りたいことを質問します。Aさんは想像でも良いので答えます。Bさんは質問をしたことでどれだけ自分のスキが高まったかを点数で評価します。

  4. 役割の交代:

    • 役割を交代して、同じ手順を繰り返します。

このワークを通じて、参加者は自分が興味のないテーマに対してもスキになる感性を鍛えることができます。これは日常生活でも応用可能で、例えば、普段自分が興味のないものをあえて選び、その魅力を探ることでスキになる力を養います。

まとめ:スキになる力を日常で鍛える

スキになる力は、ビジネスでも個人の成長にも非常に重要なスキルです。この力を養うことで、多様な視点を持ち、広範な知識を得ることができ、より深い人間関係を築くことができます。毎日少しずつ、意識的にスキを探すことで、この力は確実に伸びていきます。

日常の実践方法:

  • 日々の出会いの中で、意識的に相手の魅力を見つける。

  • 自分の興味のない分野にも意識的に触れ、その魅力を探す。

  • スキスキ60のようなワークを自分なりにアレンジして行う。

スキになる力は技術であり、トレーニング次第で誰でも身につけることができます。自分の視野を広げ、人生をより豊かにするために、ぜひこの力を鍛えてみてください。

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